今回は言動から心を変える際の落とし穴、という話をしていきます。
今回の内容は、下記2つの記事とも繋がりのある内容になります。
もし未読であれば、読んでいただいてからの方が、今回の話はより役立つものになるかと思います。
では始めていきます。
僕達の内面の変化は、使う言葉や行動に応じて変化していきます。
つまり理想とする人物像があるなら、その人物像が取るであろう行動をすることで、内面も理想に近づいていくのです。
しかし注意点も存在します。
もし気を付けるべき点を疎かにしてしまうと、理想とは真逆の結果をもたらしてしまう可能性があるのです。
では注意点とは、何なのか?
具体的には2つあるので、順番に説明していきます。
まず1つ目は、"悪質な言動が習慣になると、心も醜悪になってしまう"という点です。
これは先程書いた、"理想的な行動をすることで、心を目指すべき状態にすること"とは、真逆の事態になります。
例えば学生時代に休日を、ダラダラと一日過ごしたことがあります。
その時は確か、1週間くらいの休みだったかと思います。
折角の休日なので、平日には取り組めないことをやろうと、前日までは息巻いていました。
しかし翌朝、起きがけにテレビの電源を点けた瞬間、そんな決意は瓦解しました。
興味深い番組がやっていたので、朝食とか身なりも適当で、椅子で寛ぎながら、つい見入ってしまいました。
2時間くらい経つと番組は終わったので、
「前日に考えていたことに取り掛からないと」
と思いました。
ですが結果は、1日中ダラけて終わりました。
面白い番組に入り込む、食事や身なりが適当、椅子で寛ぐという行動によって、
「サボろうぜ!」
という風に、心を変えてしまったのです。
次の日からは心機一転しましたが、もし締まりの無い生活が続いていたら。
内面がそのように更新されてしまい、今頃は堕落した人生を歩んでいたかもしれません。
では続けて、注意点の2つ目です。
それは"内面をアップデートしないと、上辺だけになる"という点になります。
言動を変えることで、心を変えることは確かに可能です。
しかし行動や言葉だけを変えただけで、思考や感情といった内面を磨くことを怠れば、見かけ倒しの存在になってしまいます。
かつて医療機関に勤めていた際に、日常的に見た光景があります。
「症状を悪くしないためにも、薬は飲んでくださいね」
と言われると、患者さんは
「わかりました!絶対飲みます!」
といった感じで、帰られていきます。
しかし次来た時に
「薬は飲んでましたか?」
と聞かれると、
「実は数日だけ飲んで、あとは飲んでいませんでした…」
と何人かの患者さんは、申し訳なさそうに答えるのです。
発言や服薬という行動を通して、心には
「薬を飲むべき!」
という考えが芽生えかけていました。
ですが薬を飲む必要性の理解が十分でなかったり、治療に対する思考が変わってなかったため、結局薬を飲まない状態に戻ってしまったのです。
外面の変化を内面で感じたとしても、内面が変化しなければ見せかけで終わってしまいます。
心(映写機)→体(スクリーン)→心(客席)はループしています。
もし客席→映写機の部分である、感じたことや考えたことを意識に落とし込み磨き上げる部分が、遂行されていなかったとしたら。
いくら立派な言動や振る舞いをやり続けても、結局内面が変わっていないので、中身が外面に追いつくことは永久にありません。
内面と外面の釣り合いが取れていないから、傍目に見ると滑稽に感じられてしまうし、最終的には両面とも元の状態に戻ってしまいます。
今回話した2つの注意点は、どちらも日常的に陥る可能性があります。
注意すべき点には気を払いつつ、内面と外面を理想とする方向へと変化させていきましょう!