今回は怒りが人間に与える影響、という話をしていきます。
怒りと聞くと、皆さんはどんな印象を持っていますか?
今読まれている大体の人が、
「怒ることは良くないことである」
と捉えているのではないでしょうか?
実際怒りという感情によって、人間関係に不和が生じたりします。
例えば会社でもサークルでも何でもいいのですが、直ぐに怒って感情を剥き出しにする人がいたとします。
常にイライラした様子であり、何が原因で怒り出すかわかりません。
自分の不手際が原因の時もあれば、他者の些細な行動が原因だったり、予測不可能なのです。
もしも実際そんな人がいたら、どう感じるでしょうか?
おそらく凄く気を使うと思います。
なぜなら怒りの引き金を、引きたくはないからです。
怒っている状態の人間と関わりたいと、基本誰も思わないからです。
つまり怒っている人間は、自身以外の周囲の人に対して、多大なストレスを与えるわけです。
怒っている張本人はその時、周囲の感情を全く理解していません。
そして理解することなく、次第に誰からも相手にされなくなり、孤立していくのです。
怒りは人間関係に、不和をもたらすわけです。
さらに怒りは人間関係だけでなく、心身の健康にも多大な影響を及ぼします。
僕達が怒りや苛立ちを感じる時、それらはストレスとなって、自律神経に影響を与えます。
怒りは自律神経のうち、特に交感神経を高ぶらせます。
例えば交感神経が刺激されると、血管が収縮したり、心臓の鼓動が早くなります。
結果として血圧が上がったり、心臓に悪影響を及ぼす可能性があります。
血圧が上がれば、血管や心臓だけでなく、脳にもダメージを与える可能性があります。
また心臓の機能が落ちれば、全身に血液を送りづらくなり、酸素や栄養を届けにくくなります。
健康的に生きていくには、怒りとの付き合い方が重要になるわけです。
では自身の健康を脅かす怒りに、どのような対処をしていけばよいのか?
対処法は大きく分けて、2通りあります。
予防的対処と治癒的対処です。
予防的対処では、怒りに左右されない状態にしておくことが、大切になります。
例えば疲れが溜まってたり、睡眠不足といった、身体的な状態を改善することが挙げられます。
他にも不安や恐怖だったり、「完璧にやらねば」という思いが強過ぎたりする場合も、怒りのコントロールが難しくなる場合があります。
そのため不安や恐怖の原因を解消したり、完璧に固執しないことも大事になります。
次に治癒的対処です。
治癒的対処は、万が一怒りが湧いてきたとしても、怒りに心を奪われないようにすることが、重要となります。
治癒的対処にも、様々な方法があります。
例えば深呼吸や、違うことに没頭する等が挙げられます。
深呼吸であれば、ゆっくり息を吸う。
そして息を吐いていくわけですが、吸った時よりも時間をかけて吐くのが、ポイントになります。
息を吐く際には、リラックスに体を促す副交感神経が、優位に働くからです。
呼吸に集中することで、よりリラックスの効果が得られやすくなります。
呼吸に関しては、こちらの記事も参照してみてください。
また違うことに没頭する際には、単純で集中しやすい作業とかの方が、怒りを頭から消すのに有効であると考えます。
これらの方法に共通して言えることは、怒りの対象に思いを巡らせないことになります。
言い換えるなら、怒りという感情から、距離を置いて和らげるということです。
仮に怒りが鎮まっていたとしても、つい考えたりすると再燃してしまう可能性があるからです。
怒りを完全に消すのは不可能なため、予防的対処と治癒的対処は共に必要となります。
人間関係を良好に保つためにも、心身の健康のためにも、怒りとの付き合い方は大切なことです。
まずは周囲が怒る原因を、自分が作り出していないか振り返ると共に、予防的対処の見直しを行って、自身も怒りに支配されないようにしていきましょう!