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2007・アメリカ
監督・トニー・ギルロイ
出演・ジョージ・クルーニー、シドニー・ポラック、トム・ウィルキンソン、ティルダ・スウィントン
ストーリー
主人公は一応、法律事務所に所属しているものの、その仕事内容は、大企業にとって不利な情報を隠蔽する「裏稼業」。なかなか日本ではお目にかかれない職業を、ジョージ・クルーニーが人間くささも織り込んで名演する。名うての“もみ消し屋”として知られるマイケルが、巨大農薬会社で同僚が起こしたトラブルを解決するうち、自らの命も狙われる事態に陥ってしまう。
何やら謎めいたオープニングのシーン。そこから時間が溯って、そのオープニングでのマイケルの行動の理由が明らかになる展開は、脚本家として名を上げたギルロイ監督らしい。映画全体は、人間ドラマ、社会派、サスペンスといったジャンルの間で揺れ続け、観る者を戸惑わせる面もあるが、キャストの熱演があらゆる違和感をカバーする。本作でアカデミー賞助演女優賞のティルダ・スウィントンは、農薬会社の面子をかけた悪巧みと、その陰での巨大なプレッシャーをリアルに演じるが、ラスト5分のクルーニーも賞賛に値する。正義と仕事の狭間で悩んだ主人公の決着のつけ方には、クルーニーらしい男っぷりが発揮されているのだ。
感想
えっと、私が頭悪いのか、1回目に観たとき(特に前半)さっぱりイミフメイでした(笑)
でも2回目観てみたらおもしろい!!やっぱり2回は見ないとだめですね・・・。
前半はサスペンスにありがちな、情報を小出しにしていく感じだけど、それが小出しすぎるから意味がわかりにくいんだろうなぁ。
2回目観ると、複線があちらこちらにちりばめられていて、その繊細さに感心と納得しちゃうんですが。
正義と仕事は一致しないもので、その人間的な部分を捨てれなかったアーサー。
捨てれたのはカレン。カレンは根は悪い人間ではないのですが、自分がU・ノース社(会社)となって判断しています。
ゆえに分裂症気味な性格です。
その演技がすごい良かった。アカデミー賞助演女優賞なんですね。
弁護士たちの話です。
弁護士という仕事上、悪を弁護するのはわかっているとは思うのですが、アーサーは原告側につく、というまずいことに。
アーサーはマイケルに自分は正義に目覚め、自分が正しいと説得しますが、その時点でマイケルはまだアーサーを信じようとはせず、正義イコール仕事だと思っています。
かくいうマイケルも仕事にもちょっと疑問を感じてますが。
↑アーサーを疑うマイケル
でもアーサーのある事件から一転、マイケルは真実とは何かを考え出す。
アーサーの愛したアナという女性(正義の象徴の女性)に会い、ヒントを得てアーサーが正しいことが分かってくる。
ところが、本当の正義が何かを分かっていない同僚や被告たちの妨害に合う。
上司のマーティンにも「この訴訟ははじめから腐っている、青臭いことを言うな」とか言われる始末。
↑一番の複線はやはりマイケルの子供ですね。
アーサーに教えた「王国と征服」の本。
冒頭で本の内容を話してもマイケルは流して、全く耳を貸そうとはしなかった。
アーサーにしたように。
また、子供に生き方を教えるマイケル。
「お前は心が強い大人になれる」
これがラストにつながっていると思います。
やっぱりラストのシーン。時間が冒頭に戻り、違った目線で写されます。
「あ、それ!」「あ!」
ってなりました。
最後の最後のシーン。
葛藤しつつ出した結論。
その結論は正しかったのかな。
「遠くに行くなよ」といわれ、できるだけ遠くに、でも遠くにいけない葛藤、一見無意味なタクシーを流し乗りって演出!あの表情!!ステキです!
物思いにふけるマイケルが印象的です。