闘い | 川村優希オフィシャルブログ「川村優希の 優希100%なカルテ」Powered by Ameba

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内科、予防医学、アンチエイジングを専門とする医師です。

あまり特定の個人の病気にあれこれ言及しないように、とは思っているのですが

他人事とは思えずブログに少しだけ書きます。

 

アナウンサーの笠井信輔さんが悪性リンパ腫と診断されました。

 

私が18歳のときにかかった病気と同じです。

 

悪性リンパ腫といっても細かく分ければ70種類以上になり、悪性度も異なりますし病期によっても状況はかわってきますが、

いずれにしてもある程度長い期間の闘病生活を強いられると思います。

 


フリーとして活動を始められた矢先の宣告。その衝撃を想像するだけで胸が痛みます。

 

私自身も12年間育った学校を卒業し、大学生になり外の世界へ飛び出してすぐに悪性リンパ腫ステージⅣBとの診断があり、

思い描いていた希望だらけの未来と辛い闘病生活の落差に心が追いつけなかったことを思い出しました。

 


闘病中は様々な感情が巡ってくるかと思いますが、周りの人たちに気を遣いすぎず(気を遣いすぎて疲れてしまうがん患者さんが多いんです)

自分のことを第一に考えて闘病生活を乗り越えられ、

また元気に活躍されることを心から願っています。

 

 

 


また、日にちを同じくして池江璃花子選手の退院というニュース。

 

退院のニュースは涙が出そうになるほど嬉しいけれど、でもおめでとう、よかった、だけでは済まず新たな応援が必要になります。


精神的には退院後の方が辛く感じたときもあったかもしれません。

 

私自身の経験では退院するまでは「生き抜くための闘い」でしたが、退院したら全て終わりではなく、

退院してからは「元の生活を取り戻すための闘い」の始まりでした。

 

肺に後遺症があるためどんなに努力してももう昔のような状態にはならず、失ってしまったものの大きさに気付いて打ちひしがれたり、病院の時間軸では意識しなかったことも日常生活の中では元通りに行かず苦しんだり、再発の不安に怯えたり。


体力も気力も補うには時間が必要です。

 

 

池江選手は精神力も普通の人とは違うと思いますし、私なんかに心配される必要もないとは思いますが、それでもまだ10代の女の子。


自分を追い込みすぎず、この先も進んで行って欲しいなとがんサバイバーの先輩としては思っています。



それでは

また通常のブログ書きますね(*^^*)