関西の放送 | 川村優希オフィシャルブログ「川村優希の 優希100%なカルテ」Powered by Ameba

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内科、予防医学、アンチエイジングを専門とする医師です。

先日放送された旅番組、関西エリアでも放送されます(*^^*)

2016年9月3日(土)16:00~17:25 
ABC朝日放送
「志村けん聞録~のんびり出会い旅・静岡編~」

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この写真見ているだけで旅のあれこれを思い出して気持ちが高まってきます♪♪
志村けんさん、上田まりえさん、U字工事さんとの楽しくて心があたたまる旅、ぜひご覧ください(o^^o)




さて、今日はこの話を書かせてください。

麻疹(はしか)の感染報告が全国各地で相次いでいます。問い合わせもいただいているので少しブログに載せようと思います。


麻疹でおそろしいのが感染力の強さ
仮に全員が免疫を持たない人の集団に麻疹の感染者が1人いると12-14人に感染すると言われているくらいです。

患者さんの近くにいた人が咳やくしゃみからうつるだけでなく、
空気中を漂うウイルス粒子を吸入することである程度離れた場所にいる人にも感染することがあるので感染が拡大する可能性があります。



マスクや手洗いだけでは予防できないため、基本的には予防接種をしていることが唯一の予防手段になります。
(基本的に...というのは麻疹患者と接触して緊急で発症を予防した場合に接触後72時間以内に予防接種を行ったり接触後5-6日以内にγグロブリンの注射で発症を防げるケースもあります)




症状としては、感染すると約10日ほどの潜伏期間があり、そのあとに発熱や咳、鼻水など風邪のような症状が現れます。
数日間熱がでたあとに、39℃以上の高熱と特徴的な発疹が出現します。

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(日本医師会「感染症の診断・治療ガイドライン」)

上の図の体温の推移のように熱が少し下がってきたと思ったら再度高熱が出たり(二峰性発熱)、発疹は経過の途中から出始めるなど、症状が段階的に症状が変化していますよね。
肺炎、中耳炎を合併しやすく、治療薬もないため重症化する場合もあります。



周りへ感染させる期間は、症状の出現する1日前(発疹がでる3~5日前)から発疹が消失後4日くらいまで(または解熱後3日くらいまで)。症状が出る前から実は感染力があるんです。
特に発熱した頃〜発疹が出始めて36時間後 までの期間の感染力が強いです。
はじめは風邪のような症状なので麻疹だとは思わないのが厄介ですが、少なくとも体調が悪いときは人が集まる場所への外出はしないようにしていくことが大切です。
コンサート会場や空港などでの感染拡大の懸念について最近ニュースになっているのを見た方もいるのではないでしょうか?


麻疹の予防のためにはとにかくワクチンを必ず接種していること。
麻疹ワクチンはとても効果が高く、ワクチン接種を行っていればほぼ麻疹にかからなくなります。

これまで麻疹にかかったことがなく、且つなんらかの理由で麻疹ワクチンをまだ受けていない場合は予防接種することを強くお勧めします!!


また、1回の接種だけでは数%の人には免疫がつかなかったり、1度免疫がついても年数とともに免疫がさがってしまうこともあるため、現在は2回接種(MRワクチンとして1回目が1歳のとき、2回目が小学校入学前の1年間)が原則です。2回接種で99%免疫を獲得できます。

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(厚生労働省 麻しん予防接種ポスター)

平成2年4月2日以降に生まれた方は新制度で2回の定期接種となっているのですが、それ以前の方は1回のみだった場合が多いと思いますので2回目の接種をすることをおすすめします。
(抗体が十分で追加接種しても問題ありませんが、まずは抗体価を検査で調べてみても良いです。)



予防接種の徹底で麻疹の発生数は減り、WHOでも日本は麻疹の排除状態と認定されましたが、このようにゼロになったわけではなく、海外からの“輸入”もあります。
まずは自分の予防接種歴を確認してくださいね(*^^*)