初めての貴州~「貴茶公司」そして貴州の碾茶について | 船橋市茶文化資料室

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貴州Day1-20190401 貴陽にて

今年中国嶺南茶探訪の最後の目的地は貴州銅仁市江口県。最近この江口県に碾茶生産農園が作られ話題を呼んでいる。抹茶の原料である碾茶、最近中国産のものがかなりの勢いで生産量を伸ばしている。抹茶の喫茶文化のない貴州ではどんな抹茶を作っているのだろうか

広西の恭城駅から高速鉄道で3時間ちょっとで貴州の省都―貴陽についた。

町の風景。少数民族らしい建物。

目的地のひとつ:「貴茶公司」の貴陽本社。貴陽市花渓区久安郷小山村にある。地名が長いが、場所を分かりやすく言うと、貴陽市の郊外にある。

道路は綺麗に整備されている。貴州は雲南、四川と同じく野生茶木(茶樹原種)の原産地で、この辺りにも古茶樹があるのだろうか。

そんなことを思わせる「貴茶公司」の入り口。

貴陽市花渓区久安郷にある「貴茶公司」の本社。

この企業、いくら電話をしても出る人がいない。見学はnot welcomeである。その日は中に入れず、入口で教えて頂いたのは、企業の本社は、すでに生産基地に近い江口県に移したので碾茶と抹茶については江口県に行った方がより詳しいことがわかる。

向かい側に企業茶商品の売店がある。「貴茶」ブランド商品、「緑宝石」(緑茶)、「紅宝石」(紅茶)を販売していたが、碾茶と抹茶がない。「うちの抹茶は殆どヨーロッパへ」と売店の方が。

 

現在中国で作られている碾茶では、まず浙江省が上げられる。最近大いにマスコミに登場しているのは貴州の碾茶。ここは貴州碾茶(抹茶)の最大サプライヤーである。抹茶の栽培、生産、販売を一体化とした企業体制を作り上げたのは近年のこと。2010年貴州茶企業、「貴州鳳岡黔風有機茶業有限公司」、「貴州鳳岡春秋茶業有限公司」(遵義鳳岡、釜炒り緑茶、2007年設立)、「貴州久安古茶樹茶業有限公司」三社を出資子会社にし、(一気に買収?!要確認)三社の商品をベースにして「貴茶公司」を設立。その後の企業成長は凄まじい。中国茶業界のニュースター誕生のように生産規模、所要茶畑の面積、国際市場へ進出、どの実績もマスコミの「美誉」を博した。

 

元々銅仁市江口県の碾茶産地を見に行く予定だったが、やはり江口県に行かないとだめだなとあらためて思った。高速鉄道の銅仁行きチケットはすでに完了してよかった。

それにしても貴州の初日は何だか気持ちが重くなった。