請求し続けないと権利を失う | 神田勇哉のブログ

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フルーティスト 神田勇哉の日記


私のフルート人生においての楽器遍歴は


ヤマハ 211

ムラマツ GX

ムラマツ AD

ムラマツ 14k

サンキョウ ハンドメイド

 

となっていて、

それ以後はコレと定めず適当に色んな楽器を順番に吹いて楽しく過ごしている。




最初のヤマハ211は居石先生に貸したまま帰って来てない。🤪



もう30年も前の話…

先生のお教室にて「フルートを始めたい」って子がいて、

僕はもうGXを持っていたので

その子のレンタル楽器として211の方をしばらく貸してね

と言われて渡してからそれきり。



元々、二束三文の楽器だし、

先生には多大な恩があるので、

別に返して欲しいとは全く思わないのだが、


先生は良いとしても

生徒側には、借りた生徒はちゃんと返せよ!

とも思わない事もない。



今思うと昔はそういう貸し借りに関して

色々と大らかな時代だった。☺️




譜面台が必要だからしばらく貸して!

曲集が必要だからこれ借りるわね。


それで帰ってきたものもあれば

なくなったものもある。



友達のうちに行くとファミコンソフトが沢山あって、そのうちの子のものと、別の友達のものがごっちゃになってたりして、


それでも「コレは俺のものだ!」

ってアピールする子はいなかった。


ちなみに神田家はファミコンは買ってくれなかったので、人んちに遊びにいく専門だった。笑



バブルの余裕だったのかなぁ?

子供だったから分からなかったのか

細かい事にめくじらをたてない世の中の空気だった気がする。



その証拠に金昌国先生も

イベールのコンチェルトのレッスンにて


「マルセル・モイーズが吹いてるイベールを録音したカセットを生徒に貸したら返ってこないねん。

あれは貴重なモノなんやけどなぁ。


誰に貸したか覚えてへんけど…

なんで返しに来ないんや!」


とボヤいていた。



ちなみにその音源は今ではYoutubeで聞ける。


いい時代になったもんだ。笑




工藤重典 先生も

ご一緒させて頂けるコンサートの楽譜を配布する時


「はい、これ楽譜です。

原譜持っていっちゃダメだよ。

コピーしたものを持って行ってね!」


と厳しく定めている。



「どういうわけか、パート譜って失くなるんだよなぁ…」

「返さない人が絶対いるんだよ。」

と。


誰しも同じ経験をしてるようだ。笑





貸し借りの話を広げると

プロの演奏家の間でも、


「俺の使ってるこのゴールドの頭部管さぁ

〇〇(某フルートメーカー)の工場の試作品なんだけど、

具合いいから何年もずーっと借りっぱなんだよね。」

なんて話もあったりして。笑


ゴールドの頭部管っていったら
いまや100万以上しますから、
下手すりゃ横領…

とんでもない大事件に発展する可能性もあるのに、よくやるわ…と思う😅


バスやアルトは、
持ってる人から長期間借りて吹く。とかいう慣習とか、

中高生がコンクールに出るのに
少しでもパワーを。と、
先生がカリッカリに鳴るゴールドフルートを生徒に持たせて送り込む、なんて話もあったりして

音楽家はいろいろとゆるい世界なんだと思う。



上で某フルートメーカーと書いたが、

個人の工房レベルでなくて、大きな会社になると


ネジ一本すべて厳格に管理されていて

芯金だろうが、バネ一本だろうが

あるべき数が足りないと大問題になる、との事。


定期的に材料をひとつひとつ数えるという仕事もしなければいけないとの事で

管理が大変そうだった。



そーいやコンビニバイトの時に

「棚卸し」っていって、

現在のお店の商品の数を数える作業したなぁ。


めんどくさかった。




僕の211は今頃どこにあるのだろう?🧐