神田勇哉のブログ

神田勇哉のブログ

フルーティスト 神田勇哉の日記

 



今日は車の話



私は運転する立場としたら車には全く興味がなくて、

オートマで、燃費が良くて、運転しやすくて、安全に特化したオプションがあれば

箱に四つタイヤがついてりゃ何でもいいんだけど、


中学生の頃ゲーム「グランツーリスモ」にハマってプレイしていたので、

スポーツカーの走る姿への憧れはあるっちゃある。


高校の時のパソコンのデスクトップ画面はアンフィニだった。



あの頃、地元長野県では結構

日産のGT-Rとかランエボとかが走ってて

たまにNSXを道で見かけるとテンション上がったりしていたが、


土地柄か時代か、

今東京に暮らしているとそれらの国産スポーツを見かける事はほぼない気がする。


僕がボーっと生きているだけかもしれないけど。




先日この動画を見た。



別に皆様には見て頂く必要はないが😅 



簡単に内容を説明すると

土屋圭市さんが若きレーサーと一緒に

ハチロクと現在の最新GTマシンを語るという内容。


これを見て

ヴィンテージフルートと現代のフルートの吹き比べに通じる物があった。




「ドリフトキング」として時の人だった土屋圭市さんも現在68歳。


サックスで言えば須川展也さん

ソムリエでいえば田崎真也さん

みたいに、


マニアックな世界を飛び出し一般の人にまで知られる

業界を代表するスターであった。



上記の動画では、

もはや生きるレジェンドとなった土屋氏が


バリバリのレーシングカーと

ノーマルエンジンのままのハチロクを

若いレーサーと一緒にサーキットを使って乗り比べていたのだが、


最新マシンを使ったタイムアタックでは当然

土屋さんは現役の若者には及ばないが、


土屋氏がハチロクを運転した際の

ラインどりやコーナーの攻め方

そして過去の苦労話など、

その走りやキャラクターは魅力タップリで



フルート界の巨匠が

100年前のオリジナルのルイロットやオールドヘインズを吹いた時の


甘い音色、

絶叫するような音は必要ない、

ダイナミックレンジは狭いけど、キチンと美しいフレージングを描ける、

喜怒哀楽が心の中で思ったように音色に現れる


といった

プレイする面白さというポイントで

共通点があるなぁ、と思った。

 


同様に土屋氏が十何年ぶりにレーシングカー…

それも現代の技術バリバリの最新車を運転して

「いやー楽だね〜!楽しい〜!」

とゴキゲンになっていたのを見て



ラファンやイデアルを渡されて

低音やタンギングがバスバス当たる!

気持ちい〜って、言ってる巨匠、


…そんな感覚を重ねた。





大人気マンガ 「イニシャルD」では

90年代の国産車の対決が描かれていて、


スカイラインやランエボ等、当時の最新車を

非力なハチロクがテクニックのみでバッタバッタと敵を倒していくのが痛快だ。



フルートは、音楽の世界であって、競争ではないのだが、

現行のムラマツやパウエルが完璧なスケールで立派な音量を持って、

滅多に故障もない。

そんな感じに仕上がってる中で、


あえて不便なヴィンテージ楽器を使って演奏をするのはロマンがある事なんだなと思った。




土屋氏には

「ハチロクはドライバーを育てる」

という名言があるが、


「ルイロットやオールドヘインズはフルート奏者を育てる」…かと言うと

100%同意は出来ないけど…😅


本人が「これのどこが良いのか?」を理解して

鳴らすために奏法を見直して

いろんな所で演奏する事には大きな価値がある。




ちなみに、イニシャルDの「D」は、

ドリフトのDだが、

残念ながらドリフトは、現在では確実に「遅い」といえる走法らしい。


派手でかっこいいけれど、 

グリップの無駄遣いなんだと… 



コーナリング前にブレーキかけて減速して

曲がってからアクセル踏みなおした方が早いそうだ。


作品中でいえば、R32のGT-Rに乗っていた中里毅の理論が正しかったという事である。笑😅


夢が壊れた…💀




そして漫画では「走り屋」はカッコよく描かれているが、

実際は、ルーレット族、ローリング族と呼ばれ、


ただの迷惑行為をする輩である事も忘れてはいけない。🤣



世界バレエフェスティバル2024




3年に一回、世界中のスターダンサーが集まり
踊る場所。


こんなイベントは世界でも東京だけ、との事で

国際的にかなり価値のあるイベント。




東京フィルは

その光栄な伴奏のお話を代々頂いているのであります。



今回私が参加したのは、そのフェスの中のBプログラム。

公演時間なんと 4時間の特大公演。





実は何を隠そう、

私神田勇哉は東京フィルに入団してから今まで

タイミングの関係で一度も参加出来ずにいた。



という事で、初めての参戦となったのだが、


こんなに楽しいイベントだったのか!と

今まで参加出来なかった事を後悔した。





ガラ形式って事で、ダンサーたちが

入れ替わり立ち替わり、名場面の切り取りを踊る。



クラシックなレパートリーは私たちが伴奏。


それ以外は録音、またはピアノ独奏。



クラシック音楽を使っている演目でも、中途半端にカットされていたり、

編成が大きすぎたり、オペラだったりするものは

録音での上演となる。





このイベントの特筆すべき点は、


この私たちが参加しない演目は

ピットから舞台を見放題! という所である。



もちろん、ピットの床の高さは地面より下なので、

頑張って首を伸ばしてステージを見ても

ダンサーの上半身しか見れないのだが、


いつもこちらで愚痴ってるように

髪の毛一本も見れない舞台と比べると天国なのである。




という事で、世界的なバレエダンサー達の踊りを

演奏の合間に堪能させて頂いたのでした。


とはいえ、クラシックレパートリーは

演奏しているので見れないので


見れる演目は必然的に

モダンな演出のものだけとなる。笑




「解釈とは、受け手が自分で決めるものである。」

とジャン・コクトーは言った。


いやぁ、楽しい!



色んな舞踏の芸術に触れられて楽しいイベントでした。😇




新国立劇場にて

「バレエ アステラス2024」



海外で活躍する日本人バレエダンサー達に

日本で踊る機会を!というこの企画。



「日本のバレエ界は近年ものすごくレベルが上がってる」との事で、

海外のバレエ団のプリマをつとめる方々がたくさんいる。



この日もそのスーパーダンサーズの素晴らしい踊りがステージ上で行われていた。  


であろう…



そう。😅この公演でも我々の場所、

オーケストラピットからは

何も見れなかったのである。笑





世間ではオリンピックが行われているが、

ダンスやスポーツ、

体を動かすってのは何事も訓練。


楽器演奏も同じ事。



世の中 体育会系、文化系だなんて

くくられるけど、


僕の経験では、

なんだかんだいって身体能力の高い人の方が楽器が上手い。



もちろん、楽器演奏って技術だけじゃなくて


音楽を愛する気持ちとか

反復練習を好んで行うとか

目立ちたがりとか

負けず嫌いとか


必要な能力って色々あるので、それだけじゃないんだけど、




とりあえず運動やスポーツやトレーニング。


これらを演奏家もガンガンやっていかないと

演奏テクニックは衰えていくのみ。


自分の健康のためにもいつも体は動かしていこう。




よく都市伝説で


中学や高校の吹奏楽部に入ると


口に布を加えて走り込みをさせられる。とか

腹筋をさせられる。とか言われてて


「そんな事したって上手くならねーぜ!」

な〜んて…


そこに対してケチをつけるまでがワンセットなんだけど、




こうやって一周して考えてみると


世の中意味のない事ってないんだなぁ、


と思ったりするのでした。