世界一のオーケストラは?というと
世の中的にはベルリンとウィーンのどちらかが出てくる事が多い。
この二団体がなぜ有名かと言われれば
ただ宣伝が上手いだけかもしれないし
それ以外にも素晴らしいオーケストラは沢山あるが、
ベルリンもウイーンも共通する所は
「ドイツ圏のオーケストラ」という所。
なんだかんだ言ってクラシック音楽は
レパートリーにドイツものの大曲が多い世界なのでこういう結果になるわけだが、
なぜドイツものが多いのか?という話は今回は置いといて…
そんな国別のレパートリーとサウンドという枠で
不可侵の絶対領域を確保している存在が
フランス。
ドビュッシーやラヴェルを始めとしたフランスものは
数は少なく演奏機会も少ないが、根強い人気があるレパートリー。
ここからは私の感想になるが、
それらを本当に素晴らしく演奏できるオケは?
と聞かれれば
やはりフランスのオーケストラに軍配が上がる。
スイスのフランス語圏や
隣接してるベルギーや
一流集団のベルリンでも
フランスど真ん中の演奏とはちょっと違う。
とはいえ、最近はセンスの良いプレーヤーや
楽曲のオリジナルの響きをリスペクトするマエストロの台頭で
フランス外のオーケストラでも良い演奏をするので、
そこは時代が変わりつつあるのだが。
フランスのオケが誰にも何も指図されずとも、
みんなでフレンチサウンドを作れるのは
コンセルヴァトワールの教育の賜物である。
ほんで、東京フィルのヴァイオリンの方に聞いた話。
何年か前、パリオペラ座バレエ団が来日公演をするって事で、
流石にオーケストラごとフランスから呼ぶとお金がかかりすぎるから
伴奏は東フィルで、って事になったそうな。
曲もフランスのレパートリーって事で、オペラ座所有の楽譜がフランスからはるばる運ばれてきたのだが、
パート譜を見てみたら「ダフニスとクロエ」の
全員の踊りの一番盛り上がる所のボウイングが
なんとアップから始まった!
これにみんな驚いたらしい。🤯
たまたま直前にこの楽譜を使ったマエストロが
ヘンテコな方だった可能性もなく無いが、
そんな人はパリオペラ座を振れるとは思えないし、
実際来日したバレエ指揮者もそれで要求してきたので、
このボウイングが、オペラ座伝統のサウンドって事で良いと思うんだけど。
実際リハーサルの時にはヴァイオリン奏者全員が
「なん…だと…???」
と困惑しながら弾いたとの事。
フランス人マエストロは
「この曲はインパクトじゃなくてうねりの応酬なんだ」
と言っていたとの事。
こういうとこだよね。 🤯
センス!
どんなに努力しても手に入らない。
基礎に忠実に生きれば生きるほど
誰がそんな事思いつくってんだ?って話ですよ。
例えば目の前に
5 4 1 3
2 1 6 0
って数字の書かれたカードが並んでいたら
0から順番に右に並べて、
その上「1が一枚多いでーす!」
って言いたくなるのが人の性。
そんな中、「自分はこれが美しいと思う」って
好き勝手に並べちゃう。
そんなぶっとんでいるセンスに私はなりたい。
近年はフランスのオーケストラのメンバーも多国籍化が進んでいるので、
将来的にこういう真のフランスの音も失われていくのだろうけど、
それをいうと時代の流れに逆光してて人種差別だし
知り合いも沢山海外で働いているので
これ以上は言わないが。
実際に工藤先生なんかは
「昔のフランスのオケは本当に良かった。
今はずいぶんと国際的になった。」
とよく言っているので、
人類の歴史がすすめば個性は消えていく
もうこれはしょうがないのだと思った。
メジャーリーグとか見るとみんな
打ち方 投げ方豪快で楽しいよね。
渡米した日本人選手は基礎に忠実で
フォームが整ってるように見える。
って事は日本野球選手はみんな整ってるって事。
そんな中 周りの反対を振り切って
独自の振り子打法を貫き通した
イチローは凄い!
と思っていたけど…
最近知ったんだけど、
イチローさんは、メジャーに行ってからは
振り子打法 やめていたとの事。
結局 オリックスの周りの人らの反対が正しかったんかい!😅