2000年に入るとLASIKが全盛となりました。
勿論LASIKには適応範囲があり、当院の場合、
希望者の少なくとも15%は適応外です。
適応外の人にLASIKをおこなうと、術後に角膜合併症
が生じて、視力が低下することになります。初期には、
どんな場合が適応外なのかさえ定かではなく、それでも
学会や論文などで危険因子を察知して、用心深く適応
を決めていました。この用心深さのおかげで当院の術後合併症は
皆無です。又、LASIKの欠点として術後のドライアイがあります。
これは角膜にフラップを作る際、知覚神経を切断することで
生じます。末梢神経ですので再生しますが、再生には術後10ヶ月程
かかります。実はもうひとつLASIKの欠点があります。
LASIKによって角膜の形状が変わり、「高次収差」
が増える、という事実です。高次収差があると点が
点としてみえず、にじんだり、流れたり、二重に見えたりします。
瞳孔が広がる夜間に特にひどくなります。高次収差は
矯正量が多い程大きくなります。中等度以下の
矯正ではほとんど問題はおきません。
この高次収差の存在がICLの
時代に変化していく理由のひとつとなったのでした。
実はLASIK初期には高次収差の存在があまり認識されていませんでした。