カウンセリング | Y’s Lab.

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当研究所は、すべての方を対象に、社会で生きぬくための有効なスキルをご提案、ご提供するための施設です。
臨床心理士が独自に開発したSSTプログラムを提供し、皆さまの「生きる力」の育成に尽力いたします。

カウンセラー(ここでは臨床心理士や公認心理師を指します)とのカウンセリングが、どのようなものかを知らないという方は意外に多いように思います。

なんとなくカウンセラーとのカウンセリングは、例え1回であったとしても何かすごいことが起きるのではないかと期待する方もいらっしゃるかもしれませんが、それはかなり難しいことです。ですから、1回のカウンセリングですごいことが起こると期待されてしまうと「ただ話をしただけで何もなかった」という感想で終わってしまうことになるでしょう。

 

まず大前提として、カウンセラーは魔法使いでも超能力者でもないので、少ない回数や短い期間で、何かが劇的に良くなったり、治ったりするようなことは難しいことなのだということを心に留めおいていただけたらと思います。

そんなことは当たり前じゃないかと言われるのであれば、それはそれで安堵しますが、通常1回のカウンセリングで何かが治ったり、劇的に良い変化をもたらすということは、なかなか起こり得ないことだと思います。

 

ではなぜカウンセラーによるカウンセリングが有意味なのでしょうか。

 

一般的にカウンセリングの効果は以下のようなものがあると言われています。

①第三者に理解してもらえた経験や安心感を得ることができる

②自分自身を客観視し、本当の原因に気づくことができる

③カウンセラーによる適切なサポートを受けることができる

 

①については、通常悩みは深ければ深いほどそれを他人に打ち明けることを躊躇します。その後の人間関係に何かしらの影響を与えかねないですし、相手からの評価も気になるものです。カウンセラーは守秘義務があるので、影響や評価を気にすることなく自分の悩みや気がかりなことなどを話すことができるということは安全の確保という点から見ても合理的であると思います。

 

②については、人は頭の中にある思考を自分の力だけで整理をすることは難しいとされています。

思考を言語化し、誰かにそれを説明することにより、話をしながら「今自分はこういうことを考えていたんだな」「思っていたよりも苦しい思いをしていたんだな」ということに自分自身が気がつくことができます。その気づきの先に、悩んでいたことの原因の特定や解決方法を見出すことができるのです。

個人的にはこの作業はカウンセリングの醍醐味であると思っていて、クライエントの伴走者となる感覚を持つことができます。

もちろんこの作業はそれなりに時間のかかることですし、定期的なカウンセリングの機会を設けなければならないため、お互いにそれなりの覚悟と決意が必要だと思います。しかし、その覚悟と決意があるからこそ、良い結果を導くことができるのだと思っています。

 

③については、カウンセラーに「何かしてもらいたい!」という思いを一番形にできることだと思います。ここでいうサポートとは、行動変容のためのノウハウや認知変容のための思考方法や何かしらのスキルであったり、時に外部機関の紹介を指すこともあります。

カウンセラーは心理学を学んできたからこそ、適切な何かしらの提案ができるのです。たとえ提案したことを実践し、うまくいかなかったとしても、他にうまくいく方法を考え、新たな適切な提案を行います。

 

このように、カウンセリングはとても有意味であると思います。

私自身も教育分析というカウンセリングを7年ほど受けたことがありますが、その時はわからなかったことや理解できなかったことが、数年後にハッとする気づきの瞬間に繋がった経験が何度もありましたし、何より自己成長に欠かすことのできない非常に良い経験となりました。

カウンセリングの魅力の一つは、将来の自分のサポートだと思います。

今の苦しみや悩みは将来の自分を蝕むものですが、それに打ち勝てる耐性やスキル、思考、能力を一気に高めてくれたと実感しています。