キハダマグロ ファイトについて 「私見」 | 黄色いクジラの釣り日記

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2011年からの釣行日記です
浜名湖沖のオフショアボートフィッシング
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釣りになかなか行けない状況ですね。この十数年メインターゲットとしてキハダマグロを追っています。最高な思い出もいっぱいありますがそれより悔しかった思いでが多かった気がします。少しでも悔しい思いを減らせる様に今のファイトに関する考えをまとめてみました。道具立てについては以前にまとめたので次はキハダマグロのファイトについて自分が思っているキモを含めてバイトの時点から順を追って書きたいと思います

 
 

 
 
1  バイトがあったら
 
 フローティングルアーの場合特にですがバイト時はルアーの周囲はバイトによる飛沫でルアーがどこにあるか全く分からなくなることが多いです。この様に自分のルアーにバイトがあったと思う時にはルアーがどこにあるか確認出来なくても早まきします。何故早まきが必要かと言うと魚が乗っていれば直ぐにロッドへ重みが乗りますし、またミスバイトした場合このルアーは他の魚にとって仲間が食べ逃したエサという認識になるので競争の原理が働き、急速に逃げるルアーには高率に追い食いをしてきます。実際に私が釣った魚の中にもこの追い食いで食わせた魚も多くまたルアーに乗った魚に対しても直ぐにラインテンションをかけることによってフックオフを防ぐ効果があると考えています。一番やっては行けないのは仕方がないところはありますがバイトがあった時に体が固まってしまいなにもしないでいる事です。テンションを掛けられずバラシが増えますし追い食いのチャンスも捨ててしまっています。それをするくらいならバイトがあってもなくてもルアーアクションを続ける方が良いと思っています。ルアーは餌では無いので一度食っても違和感を感じて吐き出します。時にはシーバスの様に吐き出すためにエラ洗いする事も見られます。どちらにしても餌の様に待って飲み込むことはないと思いますので何もしないで飲み込むのを待つのは得策ではありません。
 
2 フッキング
 
 次にフックキングですが魚がルアーを食って走っている最中に1回から2回竿を魚と直線にした状態から竿先だけでなくバットまで力がかかる様に、大袈裟に言うと引き抜く様に行います。ドラグ値は高い方が良いと思いますが勿論高ければ合わせギレの確率も増えます。6号タックルでは手元で6、7キロにしています。ロッドを立てて合わせるとドラグ値は2割ぐらい上がりますのでフッキング時のドラグは9キロぐらいとなります。またフッキング時には大きな声で叫ぶのがお勧めです。なかなか釣れない魚がかかると大事にやり取りをしたくなりますがフッキングだけは別です。叫ぶ事により自分自身のリミッターが切れ強く合わせられるのと周りの釣り人への注意喚起にもなります。マグロは歯が鋭いこと、顎の力が強いこともあり針にフッキングしなくてもルアーをただ噛んだままの状態でファイトになる事が多く、この場合いわゆるポロリが起こります。ポロリと言うのはテンションが急に抜ける様にルアーが外れてバラしてしまった時によく使う言葉です。もしかすると仲間内だけかもしれません。ポロリのタイミングはファーストラン終了直後や最後に魚が廻る時(横を向くため)に多発します。何故推測されるかと言うとポロリの場合多くはルアーに綺麗に並んだ点のバイトマークが付いており、それと違い強くフッキングできた場合はバイトマークが線になっている事が多いからです。そう考えるとポロリは強くフッキングを行う事で魚の口のルアーをずらして針を魚にかける事で予防できると考えています。結論としては合わせのタイミングと方法の重要な点はファーストラン中に竿のバットを使って強くフッキングする事だと思います。
 
3 フッキングから安定するまで
 
 魚をかけて直ぐにギンバルに竿をさすのはお勧めできません。魚のバイト方向も色々ですのでどちらに走るかもわかりません。どの様にファーストランをかわすか(特に舟下に走った場合)自分の立ち位置から予め想像し対処することが大事です。糸が舟下に入らない様に竿をみよしで回したり最悪竿を海に突っ込んだり急激な変化への対応が必要な為、ファーストランが終わり走りが安定すらまではギンバルを使わず脇にロッドを抱えてファイトします。後述しますが合わせるとき以外のファーストラン中はロッドの角度は極力立てません。体力に自信のない時や自分の力以上の魚と対峙した時は極力ギンバルにロッドは刺さずにロッド角度をつけずスロージギングのファイトの様にリールのドラグで引っ張りあいっこをするのもテクニックの一つです。もちろんテンションが抜けてばらす可能性は上がりますがやり取りは楽になります。このところ私も年を取り多用することが多くなっています。因みに勿論全てではないと思いますがキハダが水面のルアーを食った場合スレがかりではない時は海底に向かって走ることが多く、またほとんどの魚が水深50mぐらいで止まります。以前にチャーマスさんがソルトワールド上で解説していた記事を読みましたがこれはキハダマグロが急激な水温変化に弱い為これ以上潜るのを嫌うための様です。水深10mで1度下がる様ですので急な水温変化は5度が限界なのでしょうか。
 
4 安定期
 
 ギンバルに竿を刺し出来るだけ上腕に負担を掛けない様に気をつけてファイトします。足と腰で竿を上げ竿のバットパワーで魚を持ち上げます。持ち上がったら竿を下げながら巻き取りまた足腰を使って竿を持ち上げます。一番先に参るのは握力と前腕です。この2つを温存しながらファイトするのが大事です。腰痛持ちの人はパワーリフティングのサポーターをスポーツショップで購入しておくのもお勧めです。私はゴールドジムの布製のものを使用しています。このファイト方法ではどうしてもロッドが立ちます。この為ロッドを立てても破損の可能性が少ないものの使用が必要になります。またギンバルの位置は低い方が楽になりますが低いとなおさらロッドが立ち破損の可能性が高まりますので注意が要ります。魚が走っていない時、通常のポンピング時にドラグが出てしまう様ならドラグの調節が必要です。そのままファイトしても全く魚は寄らずただの腕の運動になります。シマノのリールではドラグ1/4回転で約1キロドラグが締まります。私は自分がどのくらいドラグをかけているか分かりやすい様に1キロづつ締めていくようにしています。走り方にも寄りますがファーストラン終了時など走った後にも1キロづつ締めることが多いです。他の注意点としてはファーストラン、セカンドランなど魚が走っている時にはロッドを寝かして一直線にしドラグがスムーズに出る様にします。魚がやる気を出している時にドラグだけで止めるのは困難ですしドラグの特性上ラインの放出スピードが上がるとドラグ値は上昇するためガイドに負担がかかりブレイクの危険を上げるだけなのでロッドは寝かせて走らせてしまいます。ここで頑張るより止まってからちゃんと一定のテンションを保つ事で走るタイミングを与えない様にする事の方が大事だと思つています。
 
5 魚が見えてから
 
 魚が見えて舟下を回り出してからが醍醐味です。余談ですがコリオリの力が関係しているのか分かりませんが8割ぐらいでマグロは右回りです。クルクル円を描きながら上がってきます。ある程度上がってきたらギンバルから竿じりを外します。これは直ぐに竿を動かして急な魚の動きに対応できる様にする為です。ランディングに近づいたら竿を立てる時には少し痛いですが鼠径部に竿じりを当てる様にします。魚が回りながら前から舟下に向かって来る時には竿を下げながら糸を巻き取り魚との距離を詰めます。舟下に魚が通る時には竿を下げ時には竿先を水面下に入れ糸が船底に擦れないようにかわします。なお魚が船に近くなったときは船側に竿の背の部分(ガイドの逆の部分)が向くようにファイトすると船底にラインを擦る危険を減らすことができます。舟下から前に行く時にはプレッシャーを掛けるために竿じりを鼠径部に当ててロッドを徐々に立てます(立てた分ドラグ値も上がります)。これを繰り返す事で魚は上がってきます。大事なのはこの状況では全てとなりますが、取り返しのつかない事態になるのは舟下を魚が通る時にロッドを下げずにファイトする事です。ギンバルにロッドを挿したままにしておくなどもってのほかです。ロッドを立てたままだと糸が船底に擦れる可能性が高いことは勿論、急に魚が走った場合ロッドが立ち過ぎになり破損します。また、運悪く急に高い波来て体が持ち上がるとロッドに負担が急激にかかり破損やブレイクの危険が増すだけではなくその反動で自分の体にも危険が及びます。仲間がファイトしていて竿が下げられない時は危険もあるので本人の同意があればサポートしてあげても良いかもしれません。
 
6 ランディング
 
 余裕が有れば魚を誘導する様に魚の動きをみてロッドを使って魚を回します。二人の場合は銛を打つのが一番安全だと思います。30キロ以内ならネットランディングも可能です。ただネットランディング出来るネットは市販品では限りられており私はレンジャーの物を使用しています。ネットランディングの場合最後は糸のテンションを抜いてネットに向けて魚を泳がせて入れることが大事です。最後までテンションをかけてしまうと魚が奥まで入らず最悪ルアーがネットの入り口部分にかかり魚体が入りきらずバレてしまいます。一人でランディングする場合はネットランディングが無難ですが魚が大きい場合には銛を打つことになると思います。銛を打つの場合は完全に魚が参って水面に浮かせてから打つことが必要になります。予め可動式ロッドホルダーを45度にセットしておき竿を指してから両手で銛を打つのもおすすめです。泳いでいるマグロに片手で銛を打つのは至難の技です(何回か失敗しました)。
 

 
 
以上マグロファイトでした
 
少しでも共感していただけましたら以前道具立てについて書いた記事もありますので楽しめると思います
 
 
まだ掛け方やナブラの見方 ナブラへの船の付け方 ナブラによるルアー選択などありますがまだ機会を見て書きたいと思います。