゚Д゚) < Classic (クラシック) | インド映画噺

インド映画噺

主に映画の、主にインド映画の、あとその他の小咄を一席。
↓こちらも参照くださいな。
インド映画夜話
http://yuurismo.iza-yoi.net/hobby/bolly/bolly.html

Classic (クラシック)  2016年 120分(138分とも)
主演 アーリヤン・シグデル & ナムラター・シュレスタ
監督/作詞 ディネーシュ・ラーウト
"音楽とは心の鼓動"

 

 

 その日、音楽祭会場に急ぐプラティマたちは、イベントの主役となるはずのサマイの元へ駆けつけ、彼の急変した態度に困惑していた…。

************
 ミュージシャンを夢見るサマイは、急に視力が弱くなり始めたものの、姉プラティマや医師の警告も聞かないまま。ついに恋人を巻き込んだ事故で視力を完全に失ってからと言うもの、姉の世話になりっぱなし。家族や友人の負担になっていることを恥じて引きこもるサマイを、父と姉は、カトマンズ郊外にある視覚障害者支援の音楽施設"サンギート・ドリスティビン・アーシュラム"へとつれていく。音楽を通して多くの視覚障害者たちが交流するアーシュラムでの生活を始めるサマイだったが、それでもなお、なかなか他人に心を開けないままでいた。

 そんな中、同じくアーシュラムで生活する女性ドリスティは、彼のギターの音色に惹かれつつ、彼の過去を知らされてその苦悩を分かち合っていく。次第に、音楽を通して距離を縮めていく2人だったが、ドリスティにはある秘密が…。



主な登場人物 ()内は役者名
プラナーヴ (プラジュワル・スージャル・ギリ) サマイのバンド仲間。
サマイ (アーリヤン・シグデル / 子供時代: スミット・マナンダール) 英語字幕や発音的にはサマヤとも。ミュージシャンを志望する視覚障害の青年。本編主人公。
プラティマ (サムナ・K・C) サマイの姉。彼の生活上の面倒を一手に引き受けている。
サマイの父 (シシル・ラーナー)
サンカルパ (スシル・カフレ) サマイのバンド仲間。
ジェニー (プリヤンカ・カールキー) サマイの元バンド仲間で元恋人。作詞担当。
ハン・ダイ (ティカ・バクタ・ジーレル) 音楽アーシュラムのスタッフ。
音楽アーシュラムのマネージャー (スニール・ラーワル)
プリタム (ニーラジャン・プラダーン / ゲスト出演) プリヤの恋人。
ドリスティ (ナムラター・シュレスタ / 子供時代: セミナ・コイララ) 本編ヒロイン。音楽アーシュラムでサマイに惹かれていく視覚障害の女性。
プリヤ (ロミー・ワニ・ギミーレ) ドリスティの妹。音楽アーシュラムで姉と共に生活する視覚障害者。
"アーシュラムの母" (シャクンタラー・シャルマー) 音楽アーシュラム利用者のうちの最年長者。83歳。皆からは"アーシュラムの母"と呼ばれ親しまれているが、過去のことを話したがらない。
"アーシュラムの母"の夫 (ビシュウォー・バスネト)
プラティマの夫 (ラジェーシュ・ギリ)
サハラ 音楽アーシュラム創設者。ドリスティ姉妹の祖母(か叔母?)。写真のみの登場
マノージ 音楽アーシュラム利用者。
カマル 音楽アーシュラム利用者。

 

 

挿入歌 Sunaulo Unplugged

 


ニコニコ ネパール映画界の大ヒットメーカー アーリヤン・シグデル&ナムラター・シュレスタのコンビで贈る、ラブロマンス映画。
 ネット情報によると、映画は全部で138分とのことですが、私が見たのは120分ちょっとくらいだった…(しかも冒頭3分弱と最後1分、CMが入る!)

 「スタア誕生(A Star Is Born)」や、そのヒンディー語映画リメイク作となる「愛するがゆえに (Aashiqui 2)」を想起させる冒頭の音楽祭シーンから始まるので、そう言う芸能界裏話かと思ってたら、本編は全然違って、視覚障害者たち同士の交流による静かで美しき古典的ラブロマンス。
 13年公開作「Maun : a loud silence (静かな叫び声)」では聴覚障害者のヒロインを演じていたナムラター・シュレスタが、今回も似たような立ち位置で視覚障害者を演じているのが注目所か。障害話を悲恋物語に使ってくる是非はともかく、目が見えないが故に繊細に描かれる人と人の交流具合は「Maun」に負けず劣らず美しい。映画のほぼ全編の舞台となる音楽アーシュラムの風光明媚さも、映画の魅力として最大限発揮されて「カトマンズ郊外って、こんな綺麗なとこなの!?」って感じ。

 視覚障害を演じるために、アーシュラム内で生活する主人公コンビたちが視線を交えず、まばたきもせず、瞳の硬いままで演技していながら魅力的に見える、その演技力がトンデモね。
 ナムラターさんは「Maun」の時と変わらずの演技力の高さと愛嬌を発揮して(変わらない目と髪型が、固そうだったけども)、それぞれの場面でのファッションの移り変わりも美しきかな。それを受けて立つアーリヤンの演技も流石の一言で、以前の「Mero Euta Saathi Chha(私の、たった一人の親友)」よりも太ましい体型ながら、余裕も見える演技の幅を見せてくれるよう。まあ、ヒロインの病気の進行具合が色々ご都合的な感じはするけれど。
 お話も、「Maun」ほどの大どんでん返しがあるわけでもなく、美しいロマンス劇は美しいまま最後まで突っ走る。自己犠牲による相互誤解が続く所は鬱々としかねないけども、まあ基本的にはその時その時の人の交流具合の美しさが光る一本。

 監督を務めたディネーシュ・ラーウトは、1982年カトマンズ生まれ。
 本作と同じアーリヤン&ナムラター主演作「Mero Euta Saathi Chha」で助監督チーフとして参加していて、12年の「I Am Sorry(アイ・アム・ソーリー)」で監督デビュー。続く、アーリヤン&ナムラター主演作「November Rain(11月の雨)」を挟んで、本作は3本目の監督作となる。この後、ナムラター主演作「Parva」「Prasad」と監督作を順次公開させている。

 


挿入歌 Haree Haree

 


受賞歴
2016 FAAN Awards 主演男優賞(アーリヤン)・主演女優賞(ナムラター)
2016 Dcine Awards 主演男優賞(アーリヤン)・主演女優賞(ナムラター)
2016 NFDC Awards 作品賞・主演男優賞(アーリヤン)・主演女優賞(ナムラター)・歌手賞(ユヴラージ・チャウラガーイ)・編集賞(スレンドラ・ポウデル)
2016 National Film Awards 主演女優賞(ナムラター)・編集賞(スレンドラ・ポウデル)
2016 NEFTA Film Awards 主演女優賞(ナムラター)

 

 

(。・ω・)ノ゙ Classic を一言で斬る!
「途中から、英語字幕がセリフ体に変わったんで読みにくいのなんの…シクシク」


↓こちらも参照くださいな。
インド映画夜話