「大人もぞっとする初版「グリム童話」」
(由良弥生著 王様文庫)
皆様は「童話」と聞くと、どういったイメージが浮かびますか?
個人的には
小さい頃に読んだ絵本のお話
というイメージがあります。
なので内容も穏やかで優しさのある感じでした。
ですが本書で紹介されている、初版のグリム童話は正直、違います。
内容的にも怖いところもあり、小さい子供にはちょっと読ませられない内容となっています。
その「初版」グリム童話を、著者が自分なりにまとめ、解説を加えた作品が本書となっています。
本書で紹介されているグリム童話は、
・ヘンゼルとグレーテル
・トゥルーデおばさん
・長靴をはいた猫
・わがままな子ども
・灰かぶり(シンデレラ)
・千匹皮
・赤ずきん
・ガチョウ番の娘
・兄と妹
の9作品。
知っている名前も、全く知らない名前の物語もありました。
そしてこの中で印象的だったのは、灰かぶりでした。
シンデレラは元々優雅な家の純粋なお嬢様なのですが、義理の母親と姉にいじめられ、理不尽な思いを余儀なくさせられます。
ですが最終的には王子様と結ばれ、そして義母と義姉には天罰が下り、めでたしめでたし…
というお話でした。
ですが初版のお話では、義姉2人が王子と結婚するために恐ろしいことをさせられます。
これだけでゾッとしました。
さらにシンデレラの正体のことも書かれており、ここでもビックリ。
この正体に関しては、実際に読んで確認してみてください。
グリム童話は現代で作られた物語ではないので、読んでいて複雑な気持ちになるシーンもありました。
結果的にはハッピーエンドになるケースが多いのですが、その過程が興味深いと言えるかもしれません。
タイトルにもなっているとおり、
「ゾッとする」
というのは事実です。
特に当時の時代背景も含まれていることもあり、そのあたりが見所なのかもしれません。
少しホラーなグリム童話。
皆様も是非。
こちらもよろしくお願いします♪