システム監査人のひとり言

システム監査人のひとり言

システム監査を15年以上やっています。
最近ITコーディネータにも挑戦中。

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昨日は、ISACAの8月例会に参加。
「IT分野の会計検査」というテーマで、会計検査院の方の講演でした。
会計検査院には「検査官」は3名しかおらず、その他は事務総局というところに所属している「調査官」等とのこと。
検査の観点は、「3E」(経済性、効率性、有効性)とのことで、信頼性や安全性も重視するシステム監査とは少し違うようです。「経済性」は資源投入(インプット)と行政活動との関係、「効率性」は行政活動と行政サービス(アウトプット)との関係、で評価されるそうです。「有効性」は、当初の制度設計と実際の効果(アウトカム)の関係で評価。
最近のIT検査事例を5つほど紹介して頂きましたが、政府共通プラットフォームの整備、年金個人情報に関する情報セキュリティ対策、マイナンバーに係る情報システムの整備、環境省の放射線監視テレメータシステムの耐震性、東京電力のコスト削減、どれも興味深かったです。検査報告は、会計検査院検査報告データベースで公開されているそうですので、見れば色々参考になりそう。

本日は、ITC千葉ネットワークの8月セミナーに参加。
最初はITCAの共通EDI実証検証について。IT経営研究所の鈴木部長から「次世代企業間データ連携調査事業」の現状と今後についてご説明がありました。実証PJの次をどう繋げていくかが今後の課題になりそう。
二番目はクラウド会計について。マネーフォワードのMFクラウド本部長宮原氏からクラウド会計が実現する生産性向上についてのお話。飲食店の原価率の話やクラウドを利用したバックオフィスの流れのデモ等、大変興味深かったです。
三番目は少し毛色が変わった「妖怪と幽霊をIT(科学)してみる」というお話。ベンチャー企業を35歳でバイアウトして引退した工学博士というユニークな経歴をお持ちの方でした。鬼はなぜあのキャラクターなのか?という話では、鬼門の方角(北東)は「丑」と「寅」の間であり、そのため牛の角と虎のパンツの組み合わせになった由。あまりITは関係なかったですが、内容はかなり面白かったです。
セミナーの後は懇親会にも参加させていただいて、ITC千葉メンバーの方々にご挨拶させていただきました。今後の活動が楽しみです。

今夜はシステム監査学会の第2回定例研究会に参加。テーマは「中小企業におけるシステム監査の実態と展望について」ということで、東京都情報産業協会の工藤氏の講演でした。

我が国の中小企業の現状について、ITの導入や活用については、主に経営マインドの違いから積極的な企業と関心が薄い企業とで2極化している由。

また、情報産業のオフショア開発についても中国では優秀な人材が育っている一方、人件費も高くなっており、撤退している中小企業が増えているそうです。

システム監査を行う際の問題点としては、経営トップの権限が絶大だったり、仕事が属人的、システム担当者が不在でベンダーに任せっきり、等そもそも内部統制が十分とは言えない状況とのこと。

中小企業にシステム監査を広めるためには、システム監査を行うことによって金銭的にどんな得があるのか(あるいは損失を防げるのか)を示していくことが必要なようです。