廃人地下鉄職員日記 -2ページ目

廃人地下鉄職員日記

鉄道員関係のものばっかり載せていきます
小説(という名の駄文)は自己満足です


*またまたまた続((ry
*3ヶ月あきとかわろえないww←
*相変わらず自己満乙
*例のよってとまちゃん宅の子無断拝借←



「とりあえず買い物でも行きましょうか」

チハが家に来た翌日、今日は俺様もイラクサも仕事は休み。
日がな一日ゲームでもやろうかと考えていたのに何を言い出すかと思えば…

「おー、いってらー」
「なに言ってんです?お前も行くんですよバカ」
「あー…?なんで買い物なんだよ」
「主にチハの生活用品の買い物ですかね、あとは今日の夕飯と」
「生活用品って…コイツ人形だぞ…?」
「でも動くじゃないですか。走って転びでもすれば服は汚れますし…なにより」

イラクサが声のトーンを落として小声で話す。

「人形が動いてるだなんて、ご近所さんに説明できるんですか?」
「…お前主婦か?」
「黙りなさい不憫。とにかく親戚の子を預かっているとかなんとか言った方が賢明です」

所々に暴言が混ざってるがそれは…まぁ、置いておこう。
確かに、今の服では時々裾が捲れて膝頭の球体関節が見えている。
なにより毎日同じ服を着る人間はいないだろう。

俺様の足元ではチハが買い物という単語に反応して「おでかけ?おでかけ?」と目を輝かせている。

どのくらい目を閉じたあの状態だったのかは知らないが、外に出られるのを嬉しそうにしているのを見る限り短くはなかったのだろう。

「あー、なんかお前の服とかいろいろ買うんだと」
「ますたーと、おでかけ…!」

あんまり嬉しそうにするもんだから…つい、頭をぽんぽんと撫でてしまった。
嬉しそうにすり寄ってくるチハ。
そんなチハに思わず俺様も頬が緩む。

ハッとしてイラクサを見ると、手にはライブキャスター。
慌てて撫でるのを止めるとチッという舌打ちが聞こえた気がした。
おいイラクサこのやろう。






…まぁそんなこんなで結局俺様も買い物に来ている。
来たのは品揃えのよさで有名なR9。
世間的にも休日の今日は人が多く、中でも家族連れが多い。

「さすが休日のショッピングモールというか…まぁこれはこれで紛れられるのでいいでしょう」

どうやらイラクサも俺様と同じことを考えていたらしい。
木を隠すなら森の中、人形を隠すなら人の中、だ。
これならチハのことが変に見られることもないだろう。

「あまり長居するとチハのことがばれてしまう可能性が増します。できるだけ早く終わらせて帰りますよ」
「まぁそれは分かってっけど…なに買うか決まってんのか?服とか」
「は?そこはお前の管轄です。俺は夕飯の買い物ですから」
「は?!聞いてねぇぞ?!」
「言ってませんからね。では頼みましたよ」

30分後にここで落ち合いましょう、とか随分と勝手なことを言ってイラクサは人混みに消えていった。


「…仕方ねぇ…おら、行くぞ」
「わわ…っ、ま、ますたーまって!」
「…ったく、仕方ねぇなー。ほら」

足元の小さな人形に手を差し出す。
歩幅が違いすぎるのと人混みに慣れていないのでどんどん広がる距離。
このままだと迷子になるのは時間の問題だ。
それだけは勘弁願いたい。
…イラクサいねぇし、これしか方法ねぇからなんだからな!
「ありがとー!ますたー!」


…ったく、ただ手繋いだだけなのにそんな嬉しそうな顔すんなよな。




(…でこれなに買ったんです?)
(………)
(まぁ見ればわかりますが…ミニスカにニーハイですか…)
(こいつが!ズボンやだって言ったんだよ!膝隠すのに長い靴下履かせるしかねぇだろ!)
(…まぁそういうことにしておいてあげますよ)
(ますたー?なかないでー?)
(泣いてねぇよ!!)


(楽しそうに買い物する兄妹みたいでしたからね)



実は遠目から見てるイラクサくんとか←
*またまた続いた←
*相変わらず自己慢駄文
*よってごちゃごちゃぐちゃぐちゃ意味不明
*とまちゃん宅ジンマくんイラクサくん拝借、誰これ状態←











「ねぇねぇますたー、このひとどーしちゃったの?ねちゃったの?」

あまりのことに意識を飛ばしたイラクサをとりあえずソファに運ぶと、その原因のアンティークドールは不思議そうにイラクサを眺め始めた。

「…お前人形じゃなかったのか?」
「?チハはチハだよ?」

だめだ、話にならない。
やっぱり喋るし動く、それも人間の様に。
けれどこいつが動く度にスカートの裾から見え隠れする膝頭は人形独特の球体関節とかいうやつで。
…おい今どこ見てんだこの変態とか思ったやつ、後で覚えてろよ。

「?ますたー?」

声のする方を向けばいつの間にか足元で俺様を見上げるチハ、という名前らしいこの人形。
しゃがみこみ視線を合わせる。
きょとんと小首を傾げるこいつが可愛、って何考えてんだ俺様。

「俺様はマスターじゃねぇ、ジンマだ」
「でもチハのねじまいたの、ますたーでしょ?」
「そりゃそーだけどよ…」

まさかネジを巻いて人形が動くだなんて誰が想像するだろう。
一人悶々と考えていると視界の端に若干復活したらしいイラクサが見えた。
ソファの背もたれから少しだけ顔を覗かせているあたり、まだこいつが怖いのだろう。
…まぁこれに限らずイラクサの場合はホラー系にめっぽう弱いんだけどな。

「じ、ジンマ、早く返してきてください」
「…けどもう貰ってきちまったしお前の話じゃ存在怪しいんだろ?その骨董品屋」
「そんなの知らないですよ!元はと言えばお前が寄り道してくるから!この不憫!!」
「不憫関係なくね?!」
「とにかくその人形どこかに捨てるなりしてきてくださ「チハ、いらない?」

イラクサの言葉を遮って人形が声をあげた。
見ると俺様のズボンの裾をきゅっと握って震えている。
イラクサもそれが見えたのかばつが悪そうに目線を逸らした。

今にも泣き出しそうだ。と思ったが、コイツは人形なんだ。
それを忘れかけるぐらい精巧なアンティークドール。
きっと、オークションにでも出せば相当な額がつくのだろう。
あの店主に頼まれたというのもある。
けれどそれとは別になぜかコイツを、チハを手放したくない俺様がいて。

「…イラクサ…」

いろいろな気持ちが混ざる中、イラクサを見た。

「……わかりましたよ。そんな顔されたら何にも言えないじゃないてますか」

呆れたような、諦めたような溜め息と共に若干の笑顔。
そして今も俺様の服を握るチハに近付き、しゃがみこんだ。

「……チハ、でしたっけ…俺も一方的に悪かったです。これじゃ、弱いもの苛めしてるみたいですもんね。……これから、よろしくお願いします」

そのときのチハの笑顔は本当に人間みたいで、いや人間よりもずっときれいに笑ったんだ。





(またいらないっていわれちゃうかとおもった…)
(あれ…また…?)

(薄々そんな気がしてましたが…まさか本当にロリコンだとは)
(おいイラクサてめ)
(?何か間違ってますか?)
(…)
((違うはずなのになんか言えねぇ…!))


*まさか続くとは←
*前記事の続き
*所詮自己満
*チハちゃんがアンティークドール










「…で?その存在すら怪しい骨董品屋で何を買ってきたんです?」
「だから買ってねぇって、別に怪しくねぇし…店主のじいさんがくれたんだよ」

夕飯を食べ終えて、俺様持ってきた鞄の話になる。
俺様としては中身はあまりこいつに見せたくないんだが…同居してる限りそれは無理か。

「…中身見てもバカにしねぇか?」
「………まぁ多分大丈夫だと思いますよ」
「なんだよその微妙な返答と間!!」
「いちいちうるさいですよ、ほら早く開けてください」

口ではああ言いつつもなんだかんだ中身が気になるらしい。
目がきらきらしてる…気がする。
そんなイラクサを横目に鞄を開けた。
そこには買った、いや貰ったときと同じように瞳を閉じた紫陽花色の髪をした人形が人間のように眠っていた。

「…まさかジンマこれってダッチワ「違ぇよ」…冗談ですよ。随分精巧なアンティークドールですね」

冗談なのか本気なのか、危ない単語を発しようとしたイラクサは感心したようにまじまじと人形を眺める。
実際に出してみると人形なだけあってやはり小さい。
俺様の上半身分もなかった。

「あれこの子、ネジあるじゃないですか」
「あー…それ、なんか巻けねぇらしいんだよ」
「やってないのに言いきれないじゃないですか。ほらジンマ」

そう言いながら鞄から出したネジを俺様に手渡す。
しぶしぶネジを受け取りネジ穴を探す。
…やっぱり服少し捲らなきゃだめか…。
背中の服をそっと捲るとそこには小さな穴があった。

「…なんだか犯罪臭が漂いますね」
「おいイラクサおい」
「いちいち手を止めないでくださいよ、ほら」

手を止めさせたのは誰だよ…
回らないと店主が言っていたから諦め半分、溜め息混じりにネジ穴にネジを差し込んで、

キリキリッ


ネジを回した。

「…え、」
「なんだ、回るじゃないですか」
ネジが回ったのだ。

結局回せるだけネジを回して抜いた。
人形を向かいあわせに座らせる。
後ろでイラクサが不思議そうにその光景を眺めていた。

人形のネジを巻いた。
ただそれだけのことなのに、俺様の心臓はドクドクとうるさかった。


次の瞬間、透き通ったエメラルドと目が合った。
白磁の透き通った肌、紫陽花色の髪とのコントラストがなんとも言えないくらいきれいだ、と思った。

「…あたらしい、ますたー?」
「…は…?」


イラクサが喋ったのか?
いや、アイツの声はこんな子供のような高い声じゃない。
それに俺様の目が間違っていなければ目の前の人形が確かに喋った。
人形が、だ。
あまりの事態に思考が急速回転を始める。

「おま、え?おま…」
「あのね、チハはチハだよ」

人間とさほど変わらない笑顔を見せたこの人形を見たイラクサが意識を飛ばす5秒前のことだった。


(あのね、チハってね、まえのますたーがくれたの!)
(…あれ?まえのますたー…ってなに?)


(人形が…喋っ、フフフ)
(イラクサあああ?!)
(?)