2021 夏 京都の旅10 京都市京セラ美術館 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2021 夏 京都の旅10
京都市京セラ美術館

8/18(水)⑤
 ロームシアターまで行ってから、今度は京都市京セラ美術館に向かう。

 ここがまた実に気宇壮大な、存在感抜群の建築、元は一体何だったんだろうと思わせられる。相当の歴史的建造物をリニューアルしたであろうことは一瞥してすぐに察せられた。


京都市京セラ美術館は凄い建物

 

 

 企画展は上村松園、フランソワ・ポンポン、ドラえもんの3本立て。さっきの平安神宮の景色に比べ、この混雑はどうしたことだ、と思うほどだが、平常時はこんなものじゃないのだろう。我々は上村松園を選んだ。

 この人の絵自体は知っていたが、生涯を通じての展示というところに興味は湧く。で、通覧してみた感想だが、この人が描いたのは、結局のところ、理想化された美人像だけだった。


常設展示の方にあった上村松園の作品


 若い頃の一時期、内面の表現に挑むような一面を見せたり、着物の表現に工夫の跡が見られる、ということがあったが、それが発展していくという方向を採らず、晩年に至るまで一貫して求めたのは、ある意味で単純化された「女性美」だった、という、よくいえばこの人は、自分の求めるところに忠実な画家であった。もちろん、そのテクニックは冠絶したもので非の打ち所はないし、歳を重ねて洗練の度を増していることは見て取れるが、こっちとしては、やっぱり底に流れる葛藤が見てみたい。そこに抑制された動勢や、ほのかに現れた心の動きを感じ取れないのはおまえの眼が悪い、と言われればそうなのかも知れないが、ひとつひとつの作品の完成度とは裏腹に、何としても物足りない感じが残った。

 常設のコレクション展は、比較的チャレンジングな表現の日本画が多かったように思う。


常設展風景


 見終わって、大きなウインドウから外の庭園の景色が目に入ってびっくり。陽が射しているではないか!予報はすっかり雨の一日ということだったから、これは予想外。ただ、この後晴れが続くという保証などないものだから、車に積んできた自転車を降ろして回るというのはためらわれ、引き続き、歩いて東山界隈を巡ろうということになった。


なんと!予報に反し晴れてきた



2021 夏 京都の旅11につづく