2019.4/1~6 春の富山 その12
高岡城公園~クラフタン
4/4(木)②
高岡城公園までは車で30分足らず、駐車場が気がかりだったが、公園の無料駐車場に難なく停めることが出来た。
駐車場から公園に上がっていくと、広場の周囲に植えられた桜はまだこれからだが、そこから外れたところのヒガンザクラが見頃を迎えていた。露天も出ていて、花見の雰囲気は十分だが、かなり肌寒い。
ヒガンザクラはそろそろ見頃。それにしてもかなり肌寒い
ぶらぶら歩いて濠に降りていくと、こちらのソメイヨシノはまだつぼみ。ここへは前にも来たなあ、という実感はある。池に張り出した四阿には、我々と前後して来たおじいさんが、鯉にえさをやり始めた。食パンをちぎって撒くのだが、錦鯉に真鯉、そしてソウギョが群がる。ここの鯉は巨大で、ソウギョに負けないくらいのものがたくさんいた。毎日やりに来ているんですか、と聞いてみたが、おじいさんの口元はなんだかはっきりせず、きちんと会話が成り立ったようには思えなかった。
ここの鯉はソウギョに負けないくらいの大きさのものが多い
池の畔にはこんな彫刻作品も
濠づたいに歩いて行くとボート乗り場、ここらあたりの家は間口が狭く奥行きのある造り。間口の広さに応じて税を取られた頃の名残だろうが、斬新なデザインの家が多く、濠の眺めも交えてちょっとうらやましい住まいだ。
ここから大通りに出て、目指すは山町ヴァレー。こないだのモメンタムファクトリーで聞いたのと、梶川さん推薦の「クラフタン」もここにあるということで、一度行ってみなければと考えるようになった。
路地を縫うように歩いて行くと、大通りの一つ裏に、由緒正しい構えで建つ「高岡ホテル」に行きあった。しかし、ここはすでに廃業して久しいようで、脇の植え込みの荒れた様子が無残。近くには高層の新しいホテルが建ち、それとの対比が、まさに栄枯盛衰という言葉を連想させる情景になっていた。高岡ホテルは見たところどうだろう、戦前ないしは戦後間もなくの開業、といった風情で、文化財として残すには微妙なところ、しかしこのまま朽ちさせるには惜しい雰囲気を持っている。
廃業した「高岡ホテル」。由緒ある宿の感じが残る
ここから通りに出たが、すぐの店でウィンドーを覗くと剥製が見えた。ヤマメ、アマゴやイワナはおなじみだが、海の魚もあり、どれも大変美しい。思わず店に入ったが、出てきたのは60がらみの女将さん、これは息子が作っています、と。鮎やヤマメなど金工の製品もあり、どれもが精巧な出来。この街のことだから、金属で製作していたのが元来の仕事なのだろうが、釣り好きの跡継ぎが剥製を始めた、という想像が浮かんだ。「フィッシュクラフトマツモト」という店だった。
「フィッシュクラフト松本」にて
山町筋は古い、重厚な建物が往時の面影を残す通りだ。ここに件の山町ヴァレーがある。これも古き良き時代の面影を残す建物だが、奥の中庭には蔵がいくつも並んでいて、それをひっくるめたのがこの名称の施設になっている。
重厚な蔵造りの残る街並み
「山町ヴァレー」前の景観
表通りに面した建物の一画が「クラフタン」だ。カウンターとテーブルをあわせても20人がせいぜいの店だが、奥に座敷があるのでそこに陣取った。ここからは中庭が見え、「折井」の店が一番右手の蔵であることが確認できる。
山町ヴァレー裏手の蔵は、様々な業種の店舗になっている
クラフトビールが売りの店だが、昆布〆とすり身揚げのそれぞれ定食を注文。昆布〆は、野菜、肉、魚といろいろなものを使っているのが珍しいが、聞いてみると、このあたりでは割と普通にやるらしい。すり身は一口大のものが5個、揚げたてでおいしいものだった。ごはんの量は少なめだが、これはむしろ、女性に歓迎されるかも知れない、という言い方も間違ってはいないだろう。
ちょっと面白いランチメニュー
2019.4/1~6 春の富山 その13 山町ヴァレー~ダイワにつづく