2001年東北の旅3 橋上市場・滝観洞 | 楢丁(YOUTEI) 旅の話

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趣味で書きためた旅日記が、膨大な量になりました。2020秋に脳出血、2023には食道癌を発症と、様々なことが起こりますが、克服してまた旅に出たいという気持ちは変わりません。
お付き合い頂けたらありがたいです。どうぞよろしく。

2001年東北の旅 その3

 

 さて、鉄の街釜石に来て、初めて「鉄の歴史館」なる施設に入ってみた。市営の施設らしく真面目な造りで、ここに来れば、日本における近代の製鉄の歴史がほぼ俯瞰できる。新日鐵以前からここ釜石には、製鉄の歴史が刻まれていた事実も知ることができた。

 

 釜石の北を流れる清流、鵜住居川。この川の上流部に注ぐ青ノ木川の奥に「橋野高炉跡」と呼ばれる史跡があることは以前から知ってはいた。それは、イワナねらいで何度かこの川に入ったことがあるからなのだが、実はこれ、日本最古の洋式高炉の遺構なのだという。記憶をたどってみれば、「橋野高炉跡」の案内看板なら確かに見ているが、史跡そのものを目にした覚えは、残念ながらない。とするなら、これまでずいぶんもったいないことをしてきたのではないか、という気がしてくる。

 

 

 釜石のもう一つの名物は「橋上市場」。釜石市のまん中を貫流する甲子川(かっしがわ)に架かる橋の上に市場があるのだ。

 

かつてあった、釜石の「橋上市場」


 行ってみるとこれがけっこういい感じ。橋にはしっかりした屋根もあって、食堂も数軒ある。橋からはみだして、川沿いの道路にも野菜や果物なんかを並べている店もあり、活気のあるところ。

 

路上にも露天がたくさん


 飛騨高山や、能登の輪島の朝市にも行ったことがあるが、こちらは観光客向けになりすぎているきらいがある。その点ではここ釜石の橋上市場は地元に根をおろしている感じが好ましい。しかし、ここも近々なくなってしまうという情報がある。おそらくは、移転という手段でもとるのだろうが、市場の「空気」までよそへ持っていくことは不可能だろう。釜石の名物がまた一つ消えてしまうのかと思うと、一観光客に過ぎない僕らではあっても、何か寂しい気持ちになるのは決して不自然なことではないと思う。


 釜石から峠一つ越えれば遠野に出られる。鵜住居川づたいに上っていけば笛吹峠、釣行の時には決まってこの峠を越えたものだ。


 甲子川沿いに行けば仙人トンネルを抜けて遠野へ至る。国道283号、通称釜石街道だ。この街道を途中で左へ折れ、つづら折れの狭い峠道を抜けると、広田湾に注ぐ名川、気仙川の最上流部へ出る。ここには滝観洞(ろうかんどう)、白蓮洞と、二つの鍾乳洞がある。

 

滝観洞の地底滝。これは見事!(住田町HPより転載)


 入口には料金所と共にヘルメットの貸し出し所があり、これをかぶらないと入場が許可されない。けっこう本格的な感じだ。滝観洞の方がメインで、洞の総延長はかなり長く、途中身をかがめなければ進めないところさえあり、スリル十分。うっかりしているとヘルメットにゴツン!と衝撃が走る。洞の底には地底の川が流れ、これを上流までたどっていくと最奥には滝だ。これは結構な見ものである。足元は滑りやすく気を付けないと・・・・気を付けてはいたんですけど痛い目にあってしまいました。尻をしたたか打ってマジで星が見えました。いやー、一時はどうなるかと思った。章子には怒られた。
「馬鹿にして油断してるからよ。」
そのとおりです、ハイ。

 

 

 

2001年東北の旅 その4につづく