8/20(火)
目が覚めてテントを這い出すと、東の空は朝焼けに染まっていた。この草地はちょうど東向きの尾根筋に位置しているらしい。近くの木でカラスが鳴き交わしているのが、まるで会話しているようで、微笑ましかった。
経が丸キャンプ場下の草地。もしかすると、その駐車場という位置づけだったかもしれない
だんだんと昇りゆく日の出の様子を、何枚も写真に収めた。標高があるせいか、昼間の暑さはすっかりなりを潜め、昨夜はすっかり涼しくなって快適だった。
上のキャンプ場に水道があるのはありがたく、顔を洗い、使ったフライパンや食器は全て洗い終えた。いつもなら、公園の水飲み場を見つけて処理するか、さもなくば道の駅のトイレなどを使わせてもらう。貴重なタンクの水は、洗顔や飲み水には利用するが、食器洗いには、よっぽど困ったときにしか使わない。人に、テント泊まりの旅をしている、と説明すると、決まって、いいですねえ、と返事がくるが、そんなに羨ましがられるようなものではない。ただし、経済的にもほとんど負担を感じることなく、何にも縛られず、どこへでも行ける、という解放感は何物にも代えがたく、懲りずにこんなことを繰り返しているのだ。
さあ、中国地方とはこれでおさらばだ。地図上では、山を下りてから、ほとんどまっすぐ行った先に、中国自動車道の福山東インターが現れるはず。
走っていると、よく見かける「福山通運」のロゴの入ったトラックが、群れをなして息を潜める車両基地が見えた。なるほどあの運送会社の拠点は名前のとおりだったか、と妙に納得した。
福山東インターから高速に乗り、東進。メモが残っていないから詳しいことは不明だが、どこかのサービスエリアにバラ園があった。乗って間もなくだったように思うから、福山SAだろうか。ちょっと植えこみを造った、というようなものではなく、かなり本格的なバラ庭園だったはずで、へえ、こんなサービスエリアがあるんだ、と驚いたほど。地域の名産をアピールする演出なのかも知れない。
NEXCO西日本HPより転載
あとは、高速をひた走るのみ。なにしろ、広島から、岡山、兵庫、大阪、京都、滋賀、岐阜、愛知を抜けて浜名湖までと、これだけ走らなければならない。もう少し東進しておけば、寄っていけそうなところを探しつつ下道を、という手がないではなかったが、それは考えても詮無いことだ。
吉備サービスエリアに寄って朝食。もう日差しは強く、中のフードコートでお店を広げたが、すぐにこども連れの家族などでいっぱいになってしまう。その先は、三木サービスエリアで休憩、名神の多賀サービスエリアで昼食、八日市-彦根間では工事渋滞に逢う。
はじめて寄った、豊田の上郷サービスエリアで休憩した時の写真は残っている。ここはサービス精神が旺盛で、建物の外壁面にトリックアートがいくつも描かれ、フォトスポットを提供してくれていた。
本格的なトリックアート。サービス精神旺盛
東海北陸道の川島パーキングエリアにあるオアシスパークに寄ろうか、とも考えたが、面倒なので止め、結局どこに寄ることもなく、一つ手前の三ヶ日インターで降りた。
2012夏 山陰の旅第2弾 45につづく