竹林整備講習会 | ゆたか農園のブログ

ゆたか農園のブログ

新規就農した夫婦のブログです。「ゆたか」は妻、夫、息子の名前の頭文字を1文字ずつ取って名付けました。「ゆたか」にはrich、wealthy、fertileといった意味だけでなく、家族3人で力を合わせて頑張ろうという想いが込められています。

約1年前のブログで少しご紹介しましたが、私たちの農園がある西尾市平原町で、あるプロジェクトが進行しています。どの地域もそうだと思いますけど、当地でも農家の高齢化と後継者不足は例外ではなく、周りの畑を耕しているのはご高齢の方ばかりです。私たちがこの地で畑をお借りしてこれまでの約14年間にも草ボーボーの耕作放棄地(市役所の農地台帳上では「耕作放棄地」ではなく「遊休農地」という扱いになっていると思います)になってしまった畑がチラホラとあります。私たちがお借りしている畑だって、もし私たちがお借りしてなければその大半が耕作放棄地になっていたかもしれません。そこで地元の若者(若者といっても私たちと同じ40代ですけど・・・)2名が立ち上がり、この状況をなんとか打破しようとプロジェクトを興しました。その名もスバリ「里山再生プロジェクト」。ひとりは消防士、もうひとりは大工さんです。その消防士さんの娘さんと私の息子が保育園の時の同級生で、いわゆる「パパ友」ですし、どちらも私たちが畑をお借りしている地主さんでもありますので、よく知った間柄です。

 

このままでは畑や山は荒れていく一方で、なんとかそれを食い止めて、少しでも良い状態で子孫に残したい、というのがこのプロジェクトの趣旨です。具体的には竹林の整備や耕作放棄地の管理といったものです。耕作放棄地や竹やぶになってしまった土地の所有者を調べ、地主さんから借り受け、カフェやキャンプ場、ワークショップなどで有効活用します。このような活動は行政からの支援があるようで、今日は市役所農水振興課と共同開催、お隣の岡崎市から森林組合の方を講師としてお呼びし、竹林整備講習会が開かれました。

 

市の広報でも告知していただいたおかげか、平原町内の人だけでなく市内から30名近くの参加者が集まりました。

 

プロによる竹の伐採作業の実演を見られましたし、竹の性質や「竹害」について色々と教えていただきました。ちょうど年明けから私も我が家の竹やぶを少しずつ片付けていましたので、本当に勉強になりました。伐採した竹を有効活用する手段の1つとして、竹炭作りも行いました。

チビッ子たちはまるでキャンプファイヤーのノリでした。

 

平原町内に日曜日の朝のみ開かれる産直のお店があります。地元の人が野菜や漬物などを持ち寄って開かれている店です。しかし、その主催者も高齢で続けるのが難しくなったようで、次はこのプロジェクトが借り受けて店を続けようという話が進んでいます。プロジェクトの代表のひとりは大工さん。店内の改装なんてお手の物でしょう。もちろんその際は私たちも参加予定です。これまた先日ご紹介した藍染工房さんも乗り気です。その次はカフェの営業やキャンプ場、さらにはログハウス風のサウナを建てたい、果ては温泉を掘り当てて露天風呂など、竹炭作りの「キャンプファイヤー」を囲みながら夢は膨らみます。消防士に大工さんとそれぞれに本業がありますし、私たちもこれから草刈りに収穫にと仕事に追われますので、どこまでやれるか分かりません。でも、私たちも周りで耕作放棄地が増えるのは困りますし、ご縁あって畑をお借りできた平原町です。「協力」なんて言ったらおこがましい限りですが、平原町の活性化のために私たちにできる協力をしたいと思っています。

 

~追記~

私たちが畑をお借りしている地主さんのひとりで、大正15年生まれで平原町内で最長老、しかも現役の農家さん。私たちのちょうど50年先輩に当たり、目標にしてきた方がいらっしゃいました。その方が先日お亡くなりになったと聞きました。この方は快く畑をお貸しいただいただけでなく、農業についての考え方や農業に向き合う姿勢といったことを教えていただいた方でもありました。こればかりは順番ですから、いつかその日が来ると分かっていたのですが、今となっては大先輩の農家さんからもっと色々と聞いておけばと思っています。衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。貸していただいた畑を大切に守り続けるのが何よりの供養だと思いますので、私たちもあと50年、現役で頑張ります。