日産サクラ | ゆたか農園のブログ

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新規就農した夫婦のブログです。「ゆたか」は妻、夫、息子の名前の頭文字を1文字ずつ取って名付けました。「ゆたか」にはrich、wealthy、fertileといった意味だけでなく、家族3人で力を合わせて頑張ろうという想いが込められています。

様々なご意見を参考にさせていただきながら熟慮に熟慮を重ね、慎重に検討を重ねた結果、不退転の決意で(政治家みたいな言い回しですw)、買ってしまいました。日産の電気自動車(EV)「サクラ」です!

EVとはいえそこは軽自動車ですから、カーマットからオーディオまで付属品のほとんどがオプションです。カーナビやプロパイロット機能(高速道路での自動運転や駐車場での自動駐車)など削れるものは削り、なるべく価格を抑えましたが、車両価格が260万円、プラス自宅に充電ケーブルを設置するのに約8万円、ネット通販で安いカーマットを買って約4000円と、なんだかんだで約270万円でした。そこから補助金60万円(国55万円、西尾市5万円)をいただけるので、実質210万円です。サクラも最近値上げがあったようで、今買えばプラス30万円です。昨年の秋に契約しておいて良かったです。

 

先週に納車されまして、すでにカミさんは何度か運転していましたが、今日ははじめて私の運転で隣町のカインズホームセンターまで買い物に出かけてきました。ハンドルは軽く感じましたし、一家3人と荷物が載った状態で登坂車線があるような急坂でもスムーズに走れました。

 

運転した感想は「ガソリン車と感覚が違う」ということです。エンジン音がないから、スイッチがオンの状態であるのか、イマイチよく分かりません。クリープ現象がないのでアクセルを踏まなければ動き出すことはありません。エンジンブレーキもないからアクセルから足を離しても惰性でそのまま走り続けます。

感覚が違うEVの運転に慣れるまでしばらく時間がかかりそうです。ドアバイザーはもちろんカーマットまでがオプションなのに、走行モードやセンサーなどの機能はやたらと充実しており、もはや道路を走る大きな「家電」です。やっとガラケーを卒業してスマホを使いこなせるようになったばかりなのに、また覚えなければならないことがたくさんできました。

 

肝心の燃費ならぬ「電費」はといいますと、サクラはフル充電の「満電」で180㎞走ることができるとされています。満電にする20kw充電に必要な電気代は、1kw=30円で計算すると600円、1kw=約15円の深夜電力だと300円です。300円といえばガソリン約2L分の金額です。ガソリン2L分の費用で180kmを走ることができるのですから、ガソリン車でいえばリッター約90kmという計算になります。50ccのスーパーカブと同等の燃費です。もちろん加減速やエアコンなどの電力消費によって実際の航続距離はそれより短くなり、120~130kmだそうです。これでも110ccのスーパーカブ並みの燃費です(笑)。ちなみにサクラには充電タイマーの機能が付いており、深夜電力の時間帯のみ充電するというような設定ができます。

 

1日20~30km、年間で1万キロを走行するとして、燃費リッター15kmのガソリン車なら年間のガソリン代は約10万6000円(リッター160円として)。サクラの場合、300円の満電で120km走ったとして年間1万キロだと、電気代は2万5000円。ガソリン車との差額は約8万円です。サクラの前に10年間乗っていたダイハツ「ムーヴ」の車両価格はたしか130万円ほどでした。もし今回も同価格の軽自動車を選択していたらと考えると、差額の80万円をペイするには10年近くかかる計算になります。サクラのバッテリーは8年、もしくは16万kmのどちらか早い方まで保証してくれるとのことですが、なかなか元を取るのは大変そうです。

 

電費だけでなくサクラのほかのメリットとしては、エンジンがないから車検費用が安い、税金が優遇される、ガソリン価格を気にしなくて良い、ソーラー発電と組み合わせることでさらにお得になるといったことが挙げられます。エンジンオイルの交換も不要でしたね。もちろんデメリットもあり、長距離の移動に向いていない、充電スタンドがまだまだ少ない、会員登録など利用に条件付きの充電スタンドがある、もし走行中に電池切れになったらレッカー車を呼ぶしかないといったことです。しかしながら、セカンドカーとして日常の足として使うのには向いていますし、たとえば長距離運転することがないうえにガソリン価格が高い離島などでは非常に適したクルマだと思います。

 

ただ、やはり高額な車両価格を考えると、いくらガソリンが160円や170円/Lになっても、まだまだ普通の軽自動車のほうが安いと思います。「エコ」といっても、「エコロジー」であるのは間違いありませんが、「エコノミー(経済的)」かといわれたらまだ「う~ん」といったところです。これからEVが普及すると車両価格(特にバッテリー価格)や充電スタンドの問題は解消されていくのかもしれません。それでもやはり今回サクラを選択した一番の理由は、自然と向き合う仕事である農業に携わる者として、環境に優しい生き方をしたいという想いからです。

 

とはいえ、私の中で最強のクルマはやはり軽トラです。中古で買った私の軽トラの変速はマニュアル、窓の開閉も手動、オーディオはラジオのAMのみでスピーカーはモノラル。シートは固く、リクライニングなんて快適な機能はもちろんありません。でも荷台にはいっぱい荷物が載りますし、こんな便利なクルマは他にありません。

 

~2023年8月14日追記~

ガソリンの全国平均価格が160円や170円ではなく、180円を超えてしまいました。9月には政府の補助金が終わると言われ、そうするといよいよ200円の大台を越す様です。リッター200円で改めて上記の計算をしてみます。年間1万キロを走るとして、燃費リッター15キロだと、必要なガソリンは667リットル。これに200円を掛けると年間のガソリン代は約13万3000円です。電気代も多少は上がるかもしれませんが、ガソリン価格ほどではないと思います。深夜電力の300円で満電、それで120km走行、そして年間1万キロだと電気代は2万5000円と計算しましたが、仮にそれが3万円になってもガソリン車とサクラの燃料代の差額は年間に10万円以上です。もしかしたら想定よりももっと早くにペイできるかもしれません。無理して買ったEV車で、エコロジーだけどエコノミーではないなんて書きましたが、このままガソリン価格が上がり続けたらエコロジーだけでなく、かなりエコノミーなクルマであると言えるかもしれません。