LC/MSにおけるMSのクロマトグラムに現れるゴーストピーク | 日本一タフな質量分析屋のブログ

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日本で唯一、質量分析に関するコンサルタント、髙橋 豊のブログです。エムエス・ソリューションズ株式会社と株式会社プレッパーズの代表取締役を務めます。質量分析に関する事、趣味の事など、日々考えていることや感じたことを綴っています。

 

今週から、メインのお客様のところで新しい試料のLC/MS条件検討を始めています。

 

自身としては久し振りに使う装置(四重極―飛行時間質量分析計)でしたが、最初からMSのクロマトグラム(全イオン電流クロマトグラムや抽出イオンクロマトグラム)にゴーストピークが出現し、なかなか消えずに困りました。マススペクトルから、ゴーストの正体は界面活性剤と予測し、3日間試行錯誤してようやく昨日の午後消えました\(^o^)/

 

ゴーストピークとは、試料に含まれていない筈なのに現れるピークのことで、試料溶液への環境や容器からの汚染などが原因になる場合が多いです。装置が汚染されている場合もあります。

 

ブランク溶媒を測定しても現れることから、ゴーストであることが確認できます。

 

オートインジェクターのニードルの汚れ、試料バイエルやキャップからの溶出、試料溶媒、移動相溶媒の汚染など疑いましたが何れも白!

 

HPLCの溶媒ラインのどこかが怪しいと思い、溶出力の高い溶媒を一晩流しっぱなしにしようと思ったら、何故か途中で止まったりして…(`_´メ)

 

現象から判断して、ラインでも特に水系溶媒側が怪しかったので、その検証をするためにブランク測定を繰り返し行ったら、ゴーストが消えてくれました\(^o^)/

 

これで条件検討が始められます❗

 

ゴーストピークの出現で困るのは、なんと言っても試料中の成分と重なること。解析が難しくなるし、場合によっては帰属ミスに繋がります。イオンサプレッションを起こす場合もあります。

 

今回のケースでは、前に使っていた人がLC移動相のボトル口にパラフィルムを巻いていたので、それが主な原因だと思います。

 

移動相溶媒の揮発や大気からの汚染を防ぐために、ボトル口にパラフィルムを巻いているのをたまに見かけますが、パラフィルムからの溶出成分があるのでやめたほうが良いです。

 

LC/MSにおけるゴーストピークの問題、常に付きまといますね(>_<)  数あるLC/MSのトラブルの中で、最も苦労するかも。

 

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