LC/MS試料調製におけるコンタミ(汚染)防止の重要性 | 日本一タフな質量分析屋のブログ

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日本で唯一、質量分析に関するコンサルタント、髙橋 豊のブログです。エムエス・ソリューションズ株式会社と株式会社プレッパーズの代表取締役を務めます。質量分析に関する事、趣味の事など、日々考えていることや感じたことを綴っています。

今週は、月一の早稲田大学でのLC/MS技術指導に行きました。Q-TOFタイプのLC-MS/MSで試料測定。

MS班の4年生が、MS班ではないM1の学生から試料を預かってきました。

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最初に、試料内容と分析目的をIくんに聞きます。

 

Iくん:先輩の試料を預かっただけなので知りません。

私:(>_<)   それじゃ分析にならないし、君たちの勉強にならないでしょ! 直ぐ確認!!

 

ってことで、試料は合成に使う物質の標品二種類の溶液で、以前測定した時に、沢山の夾雑成分が観測されたので、再測定をしたいとのこと。

 

早速測定させてデータを確認すると…

 

購入した標品なのに、確かに夾雑成分由来と思われる沢山のピークが…

演算はしていませんが、パッと見でピーク純度は20%にも満たない程度か!

 

こりゃあ、試料調製の時にコンタミ(汚染)したなぁと思いつつ…

一寸遅れて来ていたM2の学生が一度研究室に戻ってまた来ると言うので、同じ試料を再調整してきて貰いました。

 

すると…

 

見事に単一ピーク。綺麗なもんです。

M1学生の試料調製の失敗は明白(>_<)

研究室全体への注意勧告を、M2学生に依頼しました。

 

今回は標品の測定だったので、試料調製時のコンタミを直ぐに疑うことができましたが、生体や天然物由来の試料であれば、そもそも沢山の成分が観測されるので、今回のような失敗があっても、試料由来とコンタミ成分を見極めるのは困難です。

 

この種の問題は、LC/MSを使っていれば何処でも起こり得ます。

 

先ずは試料調製におけるコンタミ防止の重要性をしっかり認識して下さい。そのためには、正確な手順と方法でブランク試料を調製することが重要です。

 

 

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引用元:LC/MS試料調製におけるコンタミ(汚染)防止の重要性