LC(/MS)で頻繁に起こるトラブル:目詰まり | 日本一タフな質量分析屋のブログ

日本一タフな質量分析屋のブログ

日本で唯一、質量分析に関するコンサルタント、髙橋 豊のブログです。エムエス・ソリューションズ株式会社と株式会社プレッパーズの代表取締役を務めます。質量分析に関する事、趣味の事など、日々考えていることや感じたことを綴っています。

 

凡そ1ヶ月前、9月最終週のとある日、今年度は月一で実施している、早稲田大学の天然物関係の研究室での、LC/MS技術指導に行ってきました。

 

今回は、四重極―飛行時間質量分析計のLC-MS/MSを使用して試料測定。東京女子医大との共同研究施設の装置を借りに行きました。

 

 

最近の測定主担当は4年生三人(Oくん、Iくん、Fくん)。操作は一通り覚えましたが、ちょっと問題が起こるとまだ殆んど対応できません。

 

この日は、移動相を置換してカラムを装着、送液を始めたら圧力が普段より2倍以上高いと報告してきました。

 

この研究室のMS班の学生達には、

 

¨HPLCを使う時は常に圧力に注意するように¨

 

と話しているので、圧力が普通でないことは直ぐに気づいたようです(^-^)

 

ここで対応策を教えてしまっては学生達の教育になりませんから、¨どうすればイイ?¨と問いかけて、問題解決の手順を考えさせて話させます。

 

なかなか一発ではピンポイントの答は返ってきません。

 

ここで質問を変えます。

 

私  ¨圧力が高くなる原因は何?¨

O君  目詰まりです!

私  そう! どこが目詰まりしやすいかな?

O君  カラム、配管、接続部などですか?

私  そう!  あと、UVセルやオートサンプラーのバルブやニードルも、可能性はあるね。じゃあ、どうする?

O君  接続部を順番に外して、目詰まりの場所を特定します。

 

ってことで、原因はカラムの詰まりだったことが判明。聞けば、そのカラムは、数日前にDの学生が疎水性化合物の測定に使ったとのこと。

 

溶出力の高い溶媒としてアセトンがあったので、アセトン/メタノールでカラム洗浄を指示。カラムの送液方向に流し始めたので、逆洗を指示。理由は直ぐに解ったようでした。

 

今回のは、LC/MSのトラブルとしては初歩中の初歩!  管理者がいる装置って、良い状態に保たれていることが多いので、トラブることはなかなか無いのですが、沢山のトラブルを経験してこそ一人前。
今度急ぎの測定がない時に、私が人為的にトラブルを起こす¨高橋トラップ¨を仕掛けるつもりですo(^o^)o

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
http://www.ms-solutions.jp/
住所:〒187-0035 東京都小平市小川西町2-18-13
TEL:042-308-5725
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



引用元:LC(/MS)で頻繁に起こるトラブル:目詰まり