普段はデータ解析をするのですが、先週は解析待ちのデータがなく、洗浄しなければならない予備イオン源があると言うので、イオン源洗浄Dayでした。
前職である日本電子の装置。GC-MSのEI*イオン源、学生時代~日本電子に入って暫くは、自分でよく洗浄していましたが、LC/MS専門になってからは殆んどせず。
(* EIはElectron Ionization(電子イオン化)の略)
自分一人で分解して研いて組み立てたのは、多分20年以上ぶりでした。
GC-MSのEIイオン源を分解すると、こんな感じ。
これはレンズ系(イオンの通り道)なので比較的簡単。
チャンバー(試料分子がイオン化する部屋)の方が難しい。
分解前のイオン源チャンバー
チャンバーやレンズのイオンが通る場所が、焼き付いたように黒く汚れるので、と~っても細かいサンドベーパーのようなもので研きます。
三種類目の細かさを変えて研くと、最後はピカピカになります。
アセトンで超音波洗浄して、次は組み立て!
直径1 mm位の小さなネジが何本かあって、何しろ目が悪くなったのが堪えましたが、手先はいまだに器用な方なので、組み立ても無事終了(^-^)
久し振りだったけど、機械いじりはやっぱり楽しいです。分解すると、装置のことがよく解るし。
昨日イオン源分解していて、日本電子に勤めていた頃(20年位前)に関わった、あるお客様のことを思い出しました。
とある大学の教授でしたが、LC-MSの導入を検討しているということで、装置を見に(デモ測定)来られました。私がデモを担当しました。
その教授曰く、
¨学生が使うからなるべく簡単で何も考えずに使える装置が良い¨
¨そんな装置買ったって、学生の教育には役に立たない❗¨
私は猛烈に抗議したことを覚えています。
すったもんだあったと思いますが、結局日本電子の装置を買ってくれました。そして、納入後のトレーニングも、お客様のご指名により、何回か対応しました。
最近は、ニーズ的にもシーズ的にも、¨装置は簡単な方が良い¨という風潮があります。
でも、質量分析計ってスゴく人間くさい装置なので、装置の声を聞いて、しっかり向き合ってあげないと、本当の意味での良い仕事はできないのです。
装置の声を聞くというのは、生データや装置の様子をしっかり見ることです。装置の機嫌が分かります。音に表れることもあります。
イオン源洗浄とか真空ポンプのオイル交換とか、簡単なメンテナンスは、自分達で(大学であれば学生が)やった方が良いです。
そうすることで、質量分析計のことを良く理解でき、質量分析の本質に近づくことができると思います。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
http://www.ms-solutions.jp/
住所:〒187-0035 東京都小平市小川西町2-18-13
TEL:042-308-5725
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エムエス・ソリューションズ株式会社
http://www.ms-solutions.jp/
住所:〒187-0035 東京都小平市小川西町2-18-13
TEL:042-308-5725
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
引用元:イオン源の分解・洗浄などのメンテナンスを自分ですることで質量・・・