経済成長と財政健全化 | グレッグのブログ

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http://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/k-s-kouzou/shiryou/k-s-3kai/pdf/1.pdf


東京大学の井堀教授を中心とした有識者会議でまとめられた報告書です。


要旨は

・日本の非社会保障支出対名目GDP比はOECD諸国の中で最低水準である。

・社会保障支出は年々急こう配に増えている。

・2001~2009年の期間の税収弾性値は4である。

・しかし、実質成長率に対する税収弾性値は1980年代の1.3~1.4より低下している可能性があり、物価上昇による弾性値も同程度である。

・インフレ率のみの増加は財政健全化に役に立たないばかりか、有害である。

・名目成長、実質成長とも財政健全化に資する可能性がある。

・面白いのは物価上昇の要因による財政健全化寄与度の分析で、政府支出の上昇や原油価格上昇による物価上昇は財政健全化にマイナスの作用があり、円安による物価上昇は財政健全化にプラスという結果。

 


上記の結果は個人的に想定していたものより厳しいものでした。

得に名目GDP増加に対する税収弾性値は一時的には高くなる可能性がありますが、長期的には1.2程度のようです。

インフレ率のみであれば年金の物価スライドなど歳出の弾性値も上がるのでむしろ財政は悪化してしまう。

財政再建には名目GDPを増やすことは不可避ですが、同時に社会保障費をいかに削って持続性を担保するかが喫緊の課題でしょう。医療や介護の規制緩和や年金の抜本改革は避けて通れません。

そして実質成長を如何に持続的にしていくか・・・非常に重要です。

公務員や自然独占分野の非効率を是正し国民が稼ぐ環境を整えなければなりません。

お上に依存する余裕はありません。

そして手っ取り早いのは金融緩和によるインフレ誘導円安誘導でしょう。

分析にもありましたが、金融政策で円安誘導することが財政再建に一番効果的です。

財政は必要であるから投入するもので、これで景気対策というのはもう限界なのかもしれません。