積み立て方式への移行 | グレッグのブログ

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http://live.nicovideo.jp/watch/lv81760830?ref=ser



ニコ生アゴラ「年金は国営のネズミ講か?」です。

アゴラなのであまり観る気はなかったんですが・・・。

学習院大学の鈴木亘教授が御出演されていましたので観てみました。

予想に反して大変良い番組でした。勉強になりました。


論点は年金制度を賦課方式から積み立て方式に移行することは実はハードルが高いわけではなく制度の透明性が上がり良いのではないか?ということでした。

現在、日本の年金は現役世代からの保険料収入と年金積立の取り崩しと公費で賄われています。

まあ、実質は賦課方式なんです。

そして今の年金制度を維持するには今後数十年で900兆円必要なんですが今積み立てが110兆円しかないわけです。この800兆円もの不足分をどうするかっていう問題があります。


鈴木先生、一橋大学の小黒先生は積み立て方式への移行を強く主張されておりました。

今の現役世代の払い込まれた保険料を別途プール、運用して時期が来れば払い込まれた保険料を払い込んだ個人にいくらかの利子をつけて返すというのが積み立て方式です。

では今の年金受給者の年金はどこから?ってなるわけです。どこからか引っ張って来なくちゃなりません。

基本的に国債の発行で賄うことになるでしょう。

年間50兆円もの国債発行・・・気が遠くなりますね。

しかし、現役世代の積み立てたおカネの運用先も困ってしまいます。この運用先としてこの国債に充当するっていうのはどうだろうか?っていうのが味噌です。

「あれ、それって賦課方式と同じじゃね―の?」ってなりますよね。そうなんです。変わらないんです。

でも違うのは積立金の担保です。

現在の賦課方式であれば官僚の裁量で「大丈夫大丈夫」と誤魔化されます。ウソでウソを塗り固められ100年安心とか言われちゃうわけです。しかし、積み立て方式なら完璧に債権債務がはっきり区別されますから、過不足額はごまかせません。


そしてこの800兆円を何で穴埋めするかが明確に国会で議論されればいいわけです。

鈴木教授は相続税の増税をしてこの穴埋めに充当すると主張されています。

高齢者の資産は逃げ切った成果で積み上げられたとも考えられますので、相続税で返してもらい穴埋めするのは非常に合理的でありましょう。

財源担保の国債発行ですが、国内の買い付け余力が今後数十年担保出来る保証はありません。

番組では現在の年金形態を変える必要はないのでは?という楽観論でしたが僕は違います。

今後景気回復すれば国債発行余力は激減し、利回りの上昇も考えられます。

やはり給付の削減にある程度切り込まなければならないと思います。

持続可能な制度設計が求められていると思います。

資産の捕捉も含めたマイナンバー制度の導入は必須なのではないでしょうか?


公的年金は、人間という存在が将来より現在の利得を重視しがちであるので、ある程度強制徴収し長生きの不確実性を弱めるというのは国家運営としてとても大切な要素であると思われます。

とにかく国民は不安だから不満なんだと思います。

はっきりとした数字を出して、こう言う対処をしましょうという明確な方向づけが求められています。

政争に明け暮れ、選挙区民に良い顔ばかりし、誤魔化してばかりの今の政治にはホントに絶望させられます。

年金、医療、介護・・・歪んだ資源配分を是正しなければこの国に未来はありません。