不況の本質とは何か? | グレッグのブログ

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デフレ不況と良く言われますが、不況の本質とは何でしょう?

短期的な経済の不況の原因とは資源配分の偏りに起因します。

ケインズが打ち立てた理論です。


つまり何らかの外生的ショックが生じた場合、直ちに価格や賃金が不況の割合と同じだけ調整されれば取り引き数量は下がらなくて済みます。つまり実質GDPは変化しないはずです。また、この世の中に固定金利の債務も存在しなければ、金利は不況の度合いと同率に下げられ債務の負担も増さないんです。

ただちに賃金や価格が不況の割合と同率に下げられることなんてありえません。

正社員の給与はなかなか下げることはできないし、国家公務員の給与にいたっては税収と全く関係がありません。企業は労働分配率が高止まりし、政府は財政赤字を抱え込んでしまう。

企業は新規雇用や設備投資、研究開発費を削る。

政府はデフレ下でも物価スライドしない年金や公務員給与のために債務を積み増し、教育関係費や必要な公共事業まで削ってしまうわけです。

若者が雇用されず、設備投資も増えず、研究開発費も捻出できない、教育も金持ちしか受けられない、必要な社会インフラも建設できない。

そんな国に未来はないんです。


では、どうすればいいんでしょうか?

簡単です。おカネを刷ればいいわけです。

人間っていうのは不思議なもので、名目賃金が下げられることは非常に嫌悪するんですが、実質賃金の低下にはある程度、名目賃金に比べれば無頓着なんです。

つまりおカネをジャンジャン刷って市場に供給し、インフレにしてしまえばいい。

そうすると実質賃金は下がります。一種の貨幣錯覚、情報の非対称、労働者の錯誤を利用するわけです。


そうすれば株は上がり、円安になり国民の気分が変化します。

偏った資源配分を薄めて公務員や年金世代、正規社員の実質賃金を下げればいい。

そうすれば企業は新たに雇用を拡大する、政府は必要な教育公共投資をできるようになる。

しかし、日本ではこのオペレーションが理解されないんです。

そもそも短期的な不況が資源配分の偏りから来ていることを理解している人は少数です。


復興財源の捻出のために公務員給与を下げるというのは確かに資源配分の偏りを解消する上では悪くありません。しかし、より良いのは公務員の実質賃金を下げるためにインフレにすることです。日本は世界でも珍しいデフレなんですから。おカネをジャンジャン刷って復興に使用しインフレにすれば名目賃金が一定なら彼らの実質賃金は下がります。資源配分の偏りを解消し若者に雇用を、設備投資、研究開発費、教育公共投資を賄うためには今よりもインフレにすることが一番手っ取り早いし、不平不満も少ないでしょう。


「値上げを申請することは我々の権利だ」と抜かしたバカな自然独占企業の経営者がいました。

公務員も年金世代もそういう気持ちなんでしょう。

しかし、そんなものは存在しません。

あなた方が楽な分、他の誰かが報われていないという意識がこの国では完璧に欠落している。

僕はそう思います。