官の市場と民の市場 | グレッグのブログ

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今日は暴論をひとつ。

世の中に市場が二つあるとします。

名付けて「官の市場」「民の市場」です。


民の市場は自己責任の強い市場です。

投資するのも自己責任、所得は競合相手に勝って得なければなりません。

でも消費するには競合相手が多数いるので、安くてより良いモノやサービスを受けられます。

大変厳しいんですが、魅力的な市場です。

なんせ競争しなきゃいけないのですから、様々な知恵を使ったり生産装置を使ったりしてより安く、より良いモノやサービスを得なきゃいけないんです。

そこには成長が生まれます。

昔では考えられなかったような発想の転換や技術進歩、ヒトの動きやネットワーク。

効率的に動かないと「民の市場」では勝っていけないんです。


対して「官の市場」では、「民の市場」で生まれた所得の一部を使ってモノやサービスの取引をします。

それは税金や貯蓄の一部を借りてきて官が必要な事業を行うんです。

例えば私が所属する医療や介護、電力、水道、ガス、役所、警察、消防、防衛、公共のインフラ整備などです。

これらは「民の市場」で賄うとすれば過少供給になってしまう。非常に非効率になりますから、税金を取って供給を十分にしてやらないといけない市場です。ですから、この市場は税金という担保があるので景気循環の影響をあまり受けません。生活に不可欠な市場でもありますので。すごく良い市場なんですが、どうしても価格が硬直的になります。競争がありませんから、技術進歩のインセンティブもない。国民が受ける便益に比べて費用が高くついてしまうんです。

そして大事なことは、「官の市場は民の市場の所得によって原則的に賄われている」ということです。

そして未来に向けての成長のインセンティブもないんです。


つまり、民の市場が停滞しても官の市場が今までどおりの非効率を温存すれば、やがて国家が立ち行かなくなる。

この原則を忘れた議論が横行していることは、危惧すべきです。