デフレ長期不況の対処 | グレッグのブログ

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今、日銀はコアコアCPIでー1~0%のレンジで物価をきれいにコントロールしている。

それはそれは見事なものである。

-1%を切れば緩和、0%を超えれば引き締めている。

彼らの能力の高さには脱帽である。

しかし、これは国民にとって良いことなのだろうか?


この間、毎年のように赤字国債が発行された。

そして債務残高はウナギ登り。

財政再建が毎年のように叫ばれている。

政府が支出しなければ本当に不況は改善しないんだろうか?

金融緩和では投機ばかり起こり、原油や資源価格のみが上がるんだろうか?


物価が下がっているので人々は貨幣需要が高くなる。

年々貨幣価値が上がるわけだし物価も安くなるわけだから、消費を謳歌するより貨幣を貯め込んでおいた方が得である。教科書的には消費は所得の増加関数であり、実質金利の減少関数である。

つまり所得が上昇する予想があれば消費は増え、実質金利(名目金利ー期待インフレ率)が高いと消費は減る。確かに所得が上昇する予想があれば足下の消費は増える。そして債券の実質金利が低ければ消費をした方が高い満足を得られそうに思う。そして投資も実質金利の減少関数である。実質金利が高いと企業は借入意欲を失くするであろう。ここに政府支出の入り込む余地なんてないのではないか?景気循環を補正するのに政府支出はどのくらいの効果があるんだろう?


ここで日銀の総裁以下、審議委員がすべて解雇となり、インフレターゲットが施行され3%くらいのインフレに誘導したとする。誠に夢のような話しではあるが・・。

上記のような理由で消費も投資も増えるに違いない。

株価も上がるだろう。株とは企業が返済する必要のない自己資本だから、これが上がるってことは企業の与信能力が増えるってことである。つまりおカネが借りやすくなる。実質金利も低い。また今までデフレを想定していた負債は予期せぬインフレ予想で返済が軽減される。貸借契約は名目値で行われるから、予期せぬインフレ予想は債権者から債務者への所得移転が起こる。

日本のGDPが伸び悩んでいる原因は企業の投資不足である。

企業がデフレで負債を抱え込むことは年々負債の負担を重くしてしまうので、企業はデフレでは営業所や工場などの資産を売り払って負債を返済した方が得なのである。予期せぬインフレ予想ではこの現象の逆回転が起こると考えていい。企業は負債を抱え雇用を増やし生産を拡大するだろう。


日本の病巣は長引くデフレと企業の投資不足が原因である。

これを撒き戻すにはデフレ下の財政出動より直接インフレ誘導した方がコストもスピードも格段に違う。

デフレを治すには政府日銀がしっかりとした数字でインフレ目標を示し、期間を区切ることが何より重要である。

デフレ下の財政出動は現状のように付け焼刃的な処置しかできなくなり、長期不況を招くことは明白なのである。