>スイスのシュナイダー・アマン経済相が、当面は自国通貨の上昇に耐える必要があるとの見解を示したことを受け、スイスフランがユーロとドルに対して急騰した。
通貨高を受け入れる条件として、有力なのは自国のインフレ率である。
自国のインフレ率が他国より高い状況でなら、通貨高には旨味がある。
しかし、その状況は考えずらい。
日本のインフレ率が3-4%で米国のインフレ率が1-2%なのに通貨高であれば結構なことである。
つまり、自国通貨がドルに対して減価率が高いのに通貨高の状態である。
こんなに美味しいことはない。
なぜかと言えば、自国の通貨量が増え、自国通貨を取得しやすくなっているのに対外的に自国通貨の購買力が上がっているからだ。
この通貨高は日本経済にとってプラスだろう。
こんな状況は理論上ありえないのである。
しかし、現状はどうだろう?
日本の期待インフレ率はマイナスである。つまり10年後はデフレを予想している。
貨幣の財やサービスに対する量が低下すると予想されている。
為替は予想を織り込むので足元の為替が行きすぎた通貨高になるのである。
どこかで転換させなければならない。
カギは自国のインフレ率なのである。
自国のインフレ率を海外に並みにするとコミットメントを発信し、日銀のBSを拡大させていけば間違いなく予想を織り込んだ通貨高は収まる。
円の購買力だけ増やしても何の意味もない。
円の取得が容易になるようにすることが金融緩和なのである。
つまり、円の供給を増やし円の価値を落とし、人々が円を取得しやすくする環境こそ何より求められているんだ。