本質を考えるべきだ | グレッグのブログ

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子ども手当ての廃止が決まった。

元来、子ども手当ての原資は配偶者控除や扶養控除廃止によるものである。

総額で見ればやや政府支出が増えたかもしれないが、それほど支出が過度に増えたわけではない。

ただ、直接税を払っていない家計にばら撒かれている点は僕は良かったと思っている。

所得移転がダメで公共事業ならいいなどの意見は完全におかしい。


公共事業はGDPを増やすから良策で子ども手当てなどの所得移転は貯蓄に回るからダメなんていうのは完全にナンセンスである。

公共事業が穴を掘って埋めるだけの政策で、建設会社の赤字補てんや地主の所得移転だけに使われるなら、こんなものは駄策であろう。

子ども手当てが消費性向の高い低所得者層にばら撒かれれば消費が増え、国民の所得は上がる。


景気対策の基本は民間の消費と民間の設備投資を上げることである。

それには金融政策でインフレ期待を作らねばならない。

つまり、おカネの量が増え、おカネの価値が下がると国民が感じなければ、いくら公共投資をしたって消費性向は上がらない。物価が上がり、円安になるとの見通しがなければ企業は生産を増やさない。


僕は何度も強調しているが、持続するインフレ予想への転換のカギは、金融政策と低所得者層への所得の再分配と規制緩和である。

公共投資では貨幣は増えない。

なぜなら、一部は必ず海外へ流れる、そして地主への所得移転は貨幣は使われず退蔵される、建設会社が負債を返済すれば貨幣は減ってしまう。

そしてそれらを差し引いた労働者への賃金が乗数効果への原資となるがインフレ期待がないので貯蓄される。

相殺されて全く効果がない、というのが従来型の公共事業の実態である。

しかし、復興事業は乗数効果が従来型より目覚ましく高いだろう。

それゆえ、復興事業の潤沢な貨幣投入を望んでいるだけである。


過剰貯蓄はインフレ期待があれば公共事業などなくても、勝手になくなる。

なぜなら、インフレ予想下では貯蓄が不利になるからだ。

この国に欠けているのは、金融政策がデフレを維持しているというトンデモなこと、所得の再分配政策がきちんと低所得者に再分配されていないこと、東電保護に象徴されるように悪しき公的企業の存続が続いているからである。


公共投資が善でばら撒きが悪ということは全くのスローガン先行型の啓蒙であり、良くないと思っている。