http://www.tbsradio.jp/dig/sample.html
昨晩、飯田泰之氏と三橋貴明氏のラジオ番組を聞いた。
論点はTPP参加の是非。
僕はお二人とも著作やブログを読ませていただいているので、大ファンである。
非常に興味深く、聞かせていただいた。
共通点は
①TPPは農業問題や関税問題ではない。
②TPPに参加したからといって、バラ色の未来が待ってるわけじゃない。
③円高デフレ状況を改善することが前提
相違点は
①TPP参加はデフレ圧力になるか否か
②TPP参加によって得られる国益や参加しないことによる不利益をどう考えるか?
僕は不勉強だったのでTPP問題は農業問題であると思っていた。しかし、日本はコメ以外は非常に農業分野の関税率は低く、既に非常に開かれた市場であることも理解した。
これは飯田先生が指摘されていたことだが、日本の農業問題は関税の問題ではなく、兼業コメ農家への間違った所得分配であることが分かった。
関税の利益は通貨高や通貨安ですぐに相殺されてしまう。
僕はTPP参加は早急に決めるべき課題ではないと思う。
この点では三橋氏に賛成である。
そして一番大事なことはデフレと円高問題を解決することである。
これに尽きる。
しかし、三橋氏が言っていたTPPがデフレ圧力というのは違うと思う。
以前、このブログでも指摘させていただいたが、デフレというのは貨幣現象である。
もし、TPP参加で国内の個別物価の下落圧力がかかれば、日銀が金融緩和してマクロの資金を増やせばいい。
そうすれば必ず消費性向は一定に保たれ、個別物価の低下によって浮いたお金は他の消費に回る。
それは国民の効用を上げるはずである。
また飯田氏が日本人の経営者に拘る必要はない、大事なのはそこで働く日本人の給与と職場環境である、という言説にも賛成である。
既存の日本企業を守ることが国益ではない。国民全体の効用を上げることが国益なのである。
それは時として相反する局面を持つことも忘れてはいけないと思う。
それにしても聞きごたえのある討論だった。
またお願いしたい。