金融政策の本質 | グレッグのブログ

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ここ数日、三橋ブログのコメント欄に出没したんですが、やはり皆さん金融政策の本質を理解されてない方が多数いらっしゃいました。

どうも財政政策から頭が切り変えられないでいるような感じがしました。

金融政策の啓蒙を続けていますが「貸出先がないのにカネだけ増やしたって景気が良くなるわけない」っていう発想が多いです。


インフレ予想って、政府や中央銀行は無敵だと考えることから始まると思うんですよね。

例えば、中央銀行は無限に貨幣を増やすことができるし、政府は無税にすることだってできる。

すごく極端な例で恐縮なんですけどね。

そして政府がインフレターゲットを発表して日銀が貨幣を刷り続けるとどうなるか?

やっぱり想定のインフレ率まで行くと考えると思うんですよね。

そうしたら佐藤さんも鈴木さんもトヨタ自動車も新日鉄も・・・日本のあらゆる企業や家計がインフレターゲットを意識すると思うんですよね。

つまり国内の経済主体が決められたインフレ率に沿って行動するようになる。

インフレになるということは貨幣価値が下がり、国債の価格が下がることですからね。

そうすれば円安になるでしょう?


そしたら別に政府がわざわざ個別の政府支出をして需要を支えなくても、国民がおカネをおカネ以外の資産に交換したり、財やサービスを購入しておカネを交換していくと思うんですね。

これが金融政策なんですよね。

そうすれば企業の期待収益率は上がりますよね。

だから雇用が増えて失業率が下がり、低所得層が少なくなっていく。

「いや、俺はインフレになんてならないと思うからタンス預金続ける!」とか言う人がいてもいいんですが、そういう人は確実に損しますよね。

そういう国民の予想に働きかけるのが金融政策なんですね。

極端なんですがそういうことなんです。


じゃー、今の日銀はどうなんだろう?っていう話しなんですよ。

そういう市場のインフレ予想を喚起してますか?っていう話しなんですよね。

「中央銀行が国債を引き受けないのは人類の英知である」「デフレは日本の人口減少に起因する期待成長率の低下によるものだから中央銀行には是正できない」の発言。そして極め付けが2000年2006年のゼロインフレの金融引き締めですよね。インフレターゲットも拒否して、全く裏付けのない自画自賛に終始しているのが日銀ですよね。

これでは国民はインフレを意識しようがない。

貨幣を大事に抱えますよね。だってその方が得だから。だから貨幣が回らないんですよね。


金融政策って政府がおカネを使わずに国民のインフレ予想を喚起することで鈴木さんや佐藤さんにおカネを使わせようとする政策である、っていうことが大事な視点なんですね。