インフレ予想が今いち、わからんという方もいらっしゃるので・・・。
確かに財政出動から見ると非常にわかりにくいです。
しかし、確実に存在します。
もともと、金融政策とは国民の予想に働きかける政策です。
極端に言えば、政府は一円のおカネをも使わずに、景気対策をしてしまおうということです。
日銀が金融機関や生保の国債を無制限に買い取って現金化するとします。
市場はどのくらいまでのインフレを許容するんだろう?って思います。
例えば、3%のインフレになるまで資金供給を止めないって日銀がアナウンスすればどういう現象が起こるでしょうか?
市場は半信半疑ですので、まず少なくなった国債を買いに走るでしょう。
国債の価格は上がって国債の金利は下がります。
しかし、運用としてはこれでは不十分です。
利率が下がってますから、行員の給与を出せません、売り上げが下がってしまう。
次に考えるのが外債でしょう。
円の供給量が増えてますから、円安になることが予想され為替差益を得られます。
外債を買うでしょう。
そしてインフレヘッジ銘柄の代表格である株や不動産を買いますね。
以上の経過ではまだ、物価は上昇しません。
しかし、資産効果は出ます。
人間っていうのは保有資産の価値が上がると消費を拡大するようです。
そして円安は設備投資の貧弱な中小零細企業の円建ての収益を上げます。
円建ての人件費はグッと下がりますので、雇用を増やすインセンティブができます。
日本の90%の企業は労働集約的な中小企業ですから、円安効果は絶大です。
一般庶民の所得は必ず上がってきます。
所得が上がれば消費は増えます。
消費が増えれば、誰かの所得も上がるんです。
そして貯蓄のインセンティブですが、金利が下がってますので貯蓄は不利です。
そしてインフレターゲットということは未来永劫の物価上昇を約束されるわけですから、欲しいモノは早めに買わないと損です。
そうやって、良い消費の回転が起きればデフレは脱却できます。
これが金融政策です。
国民のインフレ予想に働きかけて、政府は一円もおカネを使ってません。
むしろ、国債を減らしています。
こういう景気対策もあるんです。
景気対策とは政府が補正予算を組んで公共事業するだけではないのです。