ナイトの不確実性 | グレッグのブログ

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19世紀に活躍したフランク・ナイトはリスクと不確実性を明確に分けたことで知られている。

リスクとは起こる前にそれが計算できるもの、つまり確率的議論でヘッジできるものとする。

一方、不確実性とは確率分布で説明できないものとして捉えている。


グリーンスパン議長が講演で「不確実性、とくにナイトの不確実性に直面すると、人間はいついかなる時でも、
 中長期的な資産から安全で流動的なものへのもちかえを図るものであります。」と表現している。

人々はナイトの不確実性に直面すると、最悪の状態を想定して悲観的に行動するものなのである。


では、このような事態になればどういう対処が必要だろうか?

ひとつは短期間のそれも巨大な資金の投入である。

もうひとつは現行の政策の素早い転換であろう。(戒厳令とか・・・)


上記を考えれば東日本大震災に対する政府の対応は最悪であろう。

4か月経過した今も、もたもたしている。

いち早く、脱法的な行為が必要にも関わらず、現行の法律の遵守に汲々としている。

金融面では日銀が短期金融市場にドカンと100兆円、翌日にも投入した。

これは危機管理としては評価できる。

金融システムを守ったことは、白川総裁の手腕であろう。


しかし、不確実性に直面して日本国民のマインドは低下したままである。

サブプライムで弱り、大震災でドカンである。

委縮したマインドを転換させる新たな枠組みを構築する必要がある。

更なる資金供給とインフレターゲット、現行法に縛られない大胆な政策が求められているのだ。


今の日本の不況の原因は20年間そうなのだが、マインドの低下によるリスク資産購入の低下、超安全な資産への逃避による総需要の低下が根本にある。

サプライズを起こすような大胆な金融政策の新たなレジームの構築が急がれる。