株主といっても、個人の株主の割合は非常に低い。
結局、誰が株主なのかというと、おもに年金基金とか保険会社である。
配当つまり利回りさえ、ある程度確保しておけば、経営に口出しなどしない。
今なら3-4%くらいの利回りさえ払っておけば、お好きにどうぞ、という感じだろう。
一時、会社は誰のものか?という不毛な議論が流行した。
僕はこの議論はほとんど意味がないと思っている。
例えば株主軽視で配当をおろそかにし、従業員の給与を優先すれば株主は逃げて株価は下がる。
資産価値は下がるので会社の資金繰りも厳しくなるだろう。
正常の会社運営はできないはずである。
もし、株主が論外な配当を要求すれば、他の株主に代わってもらえばいい。
配当が他社に比べて真っ当であれば、株価は下がるわけはないのである。
他方、株主を重視し、従業員の給与をおろそかにする企業があったとしよう。
最終的に従業員は会社を後にするという選択肢しかない。
しかし、昨今の長引く不況では従業員には次の職場がないのである。
結局、泣き寝入りするしかない。
何が言いたいのか?と言うと、結局、景気回復をしなければ労働者の権利は弱いままなのである。
経済は非常に冷徹な損得の世界なのである。
労働者の権利を向上させるためには、会社はだれのものか?という人情話ではなく、景気を回復させて
労働者の需要を旺盛にするのが一番なのである。