名目GDPを増やすことは造作ない。
税収は名目GDPが上がれば上がるのである。
つまり、増税をしなくても増収は十分可能である。
一言で言えばインフレにすればいい。
おカネを刷ってばら撒けばいいんだ。
これは実質GDPには関係ない。
生産量を増やさなくても価格さえ上がれば名目GDPは上がり、税収は改善する。
財政がそんなに心配なら、インフレ率を上げればいいだけだ。
逆に言えば、今の日本にはこのオペレーションが必要なのである。
3-4%のインフレに誘導すれば何が起こるだろう?
まず、絶対に円安になる。
これは間違いない。
日本の輸出製品は今より価格が安くなるだろう。
原材料費は円安で割高になるだろうが、人件費は格段に安くなる。
円安は日本の交易条件を改善し、輸出企業の収益は増えるはずだ。
円安になれば株高になる。
そしてインフレが確実視されれば、不動産価格も上がるだろう。
資産インフレが来る。
企業や家計の資産価値は間違いなく上昇する。
日本の場合のインフレ予想は景気回復予想に他ならない。
おカネを保持していても損になるだけだし、物価は年々上がることが政府によって約束されれば消費は増えざるを得ない。企業の期待収益率は上がる。設備投資も盛んになる。
うん?
これでは実質GDPも増えてしまう。
そうです。
景気回復期待があり、所得の上昇予想があるので実質GDPも上がります。
しかし、インフレが定着してしまえば実質GDPが上昇し続ける保証はない。
あくまで景気回復期だけである。
後は、供給面の強化が必要になる。
まとめると、3-4%の持続的なインフレを起こすことで実質GDPは現在より格段に上がる。
名目GDPが上がるので税収は税率を上げなくても格段に改善し、財政は持続性を持つ。
日本に必要なのは名目の支出を上げること、名目のGDPを上げること。
今よりは格段に実質GDPも上がる。
しかし、インフレが定着すれば実質GDPは頭打ちになる。
そこからは供給面での強化が必要になる。
しかし、現状のデフレを肯定したままでは、名目も実質も上昇しえない。
持続的なインフレターゲットという市場との約束が今求められている。