円高を主導しているのは誰だ? | グレッグのブログ

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http://mainichi.jp/life/money/kabu/eco/pickup/news/20110603org00m020073000c.html



外貨準備高って聞くと、これを高く持っているから日本の円の信認がある、など訳の分からないことを言う輩がいる。

はっきり言ってこんなもの不要である。

不要どころか、トンデモナイ利権を生んでいるのである。


日本は変動相場制である。

外貨準備高は政府が政府短期証券という国債を市場で発行して資金を調達し、円をドルに変換し米国債を購入するオペレーションである。

日本は行きすぎた円高を是正するために、このオペレーションを繰り返してきた。

しかし、短期的な効果しかなく、今現在でも歴史的円高である。


変動相場制では基本的に為替は金利裁定と購買力平価で決まる。

簡単に言えば、為替対象両国でおカネの増え方の比を見ているに過ぎない。

つまり、インフレ率の予想で決まる。

基本的にインフレ率の予想は中央銀行がどこまでのインフレを許容するかに依存している。

アメリカが高いインフレを許容し、日本がゼロインフレしか許容しなければ、円高ドル安になるのである。

至極当然である。

おカネの量が増えたところが通貨安、おカネの量が増えないところが通貨高である。

それだけなんだ。

為替介入など、はっきり言って何の意味もない。

通貨安に誘導したければ中央銀行が対象国よりより高いインフレを許容すべく、おカネを刷ればいいだけなのである。

高橋洋一氏も言ってるが、これが「マネタリーアプローチ論」である。

この理論を最初に日本に持ち込んだのが何を隠そう「白川方明」であるところが笑える。


このブログでも何度も指摘したが、実質実効為替レートで見れば円高ではないという議論がある。

実質実効為替レートというのは各国の物価を加味した為替レートである。

これで見て円高ではないから、輸出企業は困らないから問題ないという議論がある。

それはそうかもしれない。

しかし、輸出企業は困らないかもしれないが、日本国民はデフレで困っているのである。

デフレで名目支出が増えず、安価な輸入品が入り込んで日本国民は給与が上がらず困っているのである。

この議論はデフレは問題ないと言ってるに等しい。


つまり、為替の問題というのは、インフレ率の問題であると言う認識を共有していただきたい。

そして、それは中央銀行のインフレに対する態度で決まるわけだ。

円高を主導しているのは誰か??

間違いなくデフレを誘導している日銀である。