自然独占 | グレッグのブログ

グレッグのブログ

ブログの説明を入力します。

独占の弊害とはなんでしょうか?

独占企業は基本的に初期費用が膨大であり、供給すれば供給するほど費用が安くなっていく産業です。

例えばNTTや電力会社、鉄道、郵便などですね。

費用逓減産業なんて呼ばれ方もします。

こういう産業は基本的に新規参入ができないわけです。

初期の固定費用が膨大ですから、最初に参入した企業が自然と独占企業になってしまう。

こういう現象を自然独占と言います。


独占企業の利潤最大化とは、難しいことは省略しますが、完全競争市場よりも供給量が少なく価格が高いんです。つまり消費者の満足から言えば少ない供給量で高い価格を払わされるので、下がってしまう。

そこで、政府の関与です。

政府は価格を規制して安い価格で供給量を増やすように指導します。

一見、良いように思いますが、政府が価格に関与するということは例えば電力会社が放漫経営で技術革新しなくても政府が損失を補填してくれますから、どうしても可変費用の縮減には消極的になるんです。可変費用とは、従業員の給与や企業年金、福利厚生施設なんかも含まれますので、どうしても過大なものになりやすいんです。それは結局、電力料金の低下を誘因しませんので消費者の効用は落ちてしまうわけです。

対処としては分社化とか、地域の電力会社の一番低い価格に全国的に合わせる、なんていう方法も取られていますが、不十分なんです。


そこで考えられたのが上下分割方式です。

そもそも固定費用などの莫大な初期費用が必要なものとは何でしょうか?

電力なら送電網、電話なら回線網、郵便なら配達網などです。

この・・・網の部分を開放しようという方式です。

NTTや郵便もそうですね。

NTTは回線網を開放することで格安の通話料金が生じ新規参入が起こりました。

つまり上の部分を競争させ、下の網の部分を開放することで独占の弊害を緩和しようとするもので経済学的には既に常識となっていますし、世界各国でも同様の方式が採用されています。

ゆえに日本の電力料金は世界に比べて高いんです。


僕はすべての国民の誤解は「日本経済にとって最良なのは日本企業の利潤を上げることである」という主張であろうと思います。

マクロの金融緩和がしっかり機能して所得が担保されれば個別の価格は安い方が国民の効用は上がるんです。この認識を拡散させたいと思っています。

自然独占企業の権益を守ることが日本経済の利益であるなんていうことは絶対に間違いです。