日本人は真面目で勤勉な民族である。
ムラ社会で秩序を重んじる民族でもある。
コツコツ働くことが何より美徳で、清貧思想もある。
こういう社会ではバラマキ政策は国の根幹を揺るがす大問題なのかもしれない。
長く政権を担ってきた自民党はこのバラマキが大嫌いのようだ。
額に汗して働くことなしに、おカネを得るなど言語道断なのかもしれない。
国民が働くインセンティブを消失してしまうことはまずい。
しかし、今日本は極端な需要不足に悩んでいる。
何度も書くが、日本の需要不足の根本原因は行き過ぎた貨幣需要なのである。
企業も家計も、貨幣を価値交換の手段というより、価値の貯蔵手段として珍重しているんだ。
貨幣には利子が付かない。
利子なんか不要なのである、とにかく元本の補償があればいいという思想が日本中に蔓延して、もう20年になる。
みんながこういう思想に取りつかれているので消費や投資は増えず、なけなしの貨幣を貯め込んでしまう。
立場の弱い者の仕事は失われ、格差が激しくなる。
しかし、こういう経済の停滞で国民みんなが貧しくなっているのである。
これは統計上、明らかであるのだ。
行きすぎた貨幣需要の処方箋はふたつ。
ひとつは、積極的に貨幣供給量を増やすこと、貨幣を保持することは損になるインセンティブを作らなければならない。
貨幣が流通し、株式や外債や不動産へ、そして財やサービスの購入に使われることで国民の所得は増え雇用が膨らむんだ。
もうひとつはバラマキである。
消費性向の高い貧困層への積極的なバラマキが必要なのである。
震災で仕事や財産や家族を失われた方へのバラマキが必要である。
先立つものが被災者には必要なんだ。
バラマキを否定しては今の経済不況の改善にはならない。
バラマキは永続させなければいいだけなんだ。
日本人を見くびってはいけない。
そんな乞食根性丸出しの賤しい人たちが多数派であるとは全く思わない。
一時的なショックの治療として被災者や立場の弱い者へのバラマキは当然正当化されるべきだ。
そのオペレーションは日本経済全体の好転化のカギなんだ。
輪転機を回して貧困層や被災者におカネをばら撒け。
ぼくの主張はほぼこれだけだ。