今、止めている原発を再稼働させることは難しいだろうが、日本経済の供給面を考えれば原発をこのまま止めてしまうコストは短期的には膨大なものになるであろう。
第二福島原発は致し方ない面もあるだろうが、浜岡は行きすぎではないか?
しかし、それを支持する知事たちの声明もあり、大衆迎合もここまで来たか・・・という感想を抱く。
反原発を主張する人たちは、日本経済の先行きにどう対処するつもりなんだろうか?
そんなビジョンは全く聞かれない。
電力料金の値上げによる、その他の製品のデフレ深刻化や雇用の減少、所得の減少がこの人たちの頭の中にあるとは到底思えない。
原発を再稼働させることはサンクコストなんだろうか?
当然、捨て去らなければいけない経費なんだろうか?
行動経済学におけるヒューリスティクスによるバイアスを思いだした。
ヒューリスティクスとは物事の判断を合理的に決める前に、直観的に素早く物事を決めてしまう習性が人間には備わっているというものである。
ノーベル経済学賞を受章したカーネマンとドヴェルスキーの理論である。
その中の構成要素に利用可能性というのがある。思い浮かびやすさ、である。
ある事象が起きる確率や頻度を考える際に、最近の事例やかつての顕著な事例を思いだすことで実際の確率より高く評価し、すぐに自分にも降りかかってくることだと思ってしまう習性である。
経済損失と、このバイアスの受領と、どちらを我々は選択すればいいのか??
答えはわかりきっているはずである。
これ以上の経済損失で泣くのはやはり社会的弱者である。
それを支える層が混乱してはならないはずだ。
反原発は原発稼働再開以上のリスクを伴うことを忘れてはいけない。