インフレ予想、期待インフレ率って雲をつかむようなお話しで、そんなものを指標に経済対策ができるわけじゃないんじゃない?
実際、白川総裁も「実質金利の把握は難しい」と言ってましたね。
僕の議論では非常に重要です。このインフレ予想はなかなか周知されてませんが、実は取り引きされてるんですよ。
ブレークイーブンインフレ率、略してBEIって日本では呼ばれています。
物価連動国債、物価が上がれば価格が上昇する国債で現嘉悦大学の高橋洋一教授が財務官僚時代に日本に導入したものです。
BEI=10年固定金利国債の利回りー10年物価連動国債の利回り です。
アメリカにも同様の仕組みがあって、TIPSスプレッドと呼ばれています。
難しいことはいいんですが、つまり同じ10年物国債でインフレになるとそれだけ得になる国債の価格が上がれば利回りは減りますね。つまりインフレが予想されればBEIは高くなるんですよ。
10年期待インフレ率=ブレークイーブンインフレ率、BEIです。
だからこれを指標に経済対策を打てばいいわけです、市場の期待インフレ率がわかる。
実質金利=名目金利ー期待インフレ率ですから実質金利も容易に類推できるわけです。
こういうことを言うと必ず、物価連動国債は市場規模が小さいから日本では機能してないんじゃないの?
って横槍を入れてくる奴がいます。
しかし、それは違います。
もし、市場の本当の期待インフレ率とBEIに差があるなら、その金利差を突いてひと儲けできますよ。
市場がそんなことを許すはずはありません。フリーランチはありえませんから。
インフレ予想は決して雲をつかむような机上の空論ではないのです。
しっかり、市場で取引されています。
実際の値動きを貼っておきますのでご確認ください。