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口臭対策商品で一番普及しているのは、チューインガム。新潟大学教授(予防歯科)の宮崎秀夫さんによると、ガムの効果は、香料が口臭を一時的に紛らわすためで、時間にすると20分程度だという。ただし、緊張や、薬の服用などでだえきの分泌量が減る時に強くなる口臭を抑えるのに、ガムは役立つ。宮崎さんは「かむことで分泌された新しいだえきが、舌苔(ぜったい)を含む古いだえきを押し流すため」と説明する。
市販のうがい液やスプレーの多くは、香料でさわやかな気分になれるが、口臭の原因である揮発性硫黄化合物(VSC)を減らす効果は認められていない。結局、舌苔を舌ブラシで取り、同時に歯周病の治療と予防に努めるのが効果的な口臭対策だ。
舌苔の量は、生活習慣とも深く関係している。食事をすると、舌の上で食べ物を動かすことで自然に舌苔が落ちる。流し込むのではなく、食物繊維が多い食べ物をよくかんで食べるのは、体にも口臭予防にもいい。
このほか、舌苔を増やさない生活習慣として、宮崎さんは、〈1〉十分な睡眠〈2〉疲れ、ストレスをためない〈3〉適度な運動――を挙げる。「口内は、虫歯や歯周病などを起こす細菌と、体を守る免疫細胞が常に戦っている場。寝不足やストレスを感じている時は、免疫の働きが衰えて細菌が増え、口臭が強くなる。規則正しい生活自体が口臭予防につながる」と宮崎さんは話す。(渡辺理雄)
(2010年5月29日 読売新聞)