ポール手にウオーキング | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

変なニュース面白いニュース、野球、サイエンス、暇つぶし雑学などなど

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=19340

より

 両手のポールを使って歩く北欧発祥のノルディックウォーキング。「健康によい」と人気のようだけど、どんな運動なの?


画像の拡大
インストラクター(右)の指導を受けながらノルディックウォーキングを楽しむ参加者ら(東京・武蔵野市で)=飯島啓太撮影 フィットネスクラブ「ティップネス吉祥寺」(東京都武蔵野市)が土曜日に開く初心者向け講座には、若い女性や高齢者ら約10人が参加している。ポールの使い方などを学んだ後、店近くの井の頭公園で約3キロを歩いた。

 印象的だったのは、ポールのつき方だ。つえのように、体の前にポールを突いてしまいがち。「体の前でなく、体の脇より後ろに突いて後ろに押し出すように」と指導を受けた。ポールで体を前に押し出せばスピードが増す。自然と上半身を使うようにもなる。

 準備運動などを含め、あっという間の2時間だった。「ポールのお陰で歩けた」「予想以上にいい運動でした」。参加者が汗をぬぐいながら、感想を言い合う。人気の秘密はこのへんにあるようだ。

 ノルディックウォーキングの講座を開設したのは2007年10月。「スリムになりたい」という女性をはじめ、健康づくりを心がける高齢者ら幅広い年代で人気を集めているという。

フィンランド発祥
 ノルディックウォーキングは北欧のフィンランドが発祥の地だ。1930年代初め、距離競技のスキー選手が、夏場のトレーニング用に始めたもので、その後の研究で運動効果も知られるようになった。90年代後半から「ノルディックウォーキング」の名で普及が進み、現在、世界50か国以上で親しまれている。日本でも5万人以上が楽しんでいるそうだ。

 日本ノルディックフィットネス協会(仙台市)などによると、さまざまな利点や運動効果があるという。例えば、足腰への負担が少ない。ポールが体重の一部を支えてくれるためだ。ポールを使えば上半身を活発に動かすことにもなり、エネルギー消費量は通常のウオーキングより平均で2割もアップ。同時に、首から肩にかけてのこりをほぐす効果も期待できる。

生活習慣病に効果
 これらの効用を生かし、東京・板橋区の医療機関「ウェルネスササキクリニック」は3年前から、生活習慣病患者の運動療法にノルディックウォーキングを取り入れている。

 佐々木巌院長自身が指導員の資格も持っており、2006年9月から9か月間、患者19人に対し、ノルディックウォーキングなどの運動を指導。その効果を見た結果、腹囲の平均値が2センチ前後減って内臓脂肪が落ちたことがわかった。糖尿病患者の血糖値などが改善されたケースもあった。

 「心血管病など高血圧や糖尿病の合併症を抱える人のほか、ひざや腰に痛みのある人は、運動を始める前に主治医への相談が必要」と強調しながらも、佐々木院長は「指導員の適切な指導で運動を続ければ、生活習慣病になるリスクを減らせる」と推奨している。(大津和夫)

ひじが直角になる長さを

画像の拡大 ポールは強く握らず、腕を前後に振る。突く場所は、前と後ろの足の間で、もう片方は斜め後方に押し出す。初心者向けなら左右1組で1万円から。ポールの先を地面に垂直に立て、ひじが直角になるような長さのものを選ぶ。身長×0.68が目安。

 講座や歩き方などの情報は、日本ノルディックフィットネス協会(http://jnfa.jp/ )。「ウェルネスササキクリニック」のHPは(http://wellness-sasaki.jp/ )。佐々木院長の著書「フィットネスのためのノルディックウォーキング」(大学教育出版・税別1500円)も参考になる。

(2010年1月14日 読売新聞)