<病症> この処方を単独で用いることは少なく、これを基本処方として生薬を加減している漢方薬は多い。例えばアトピーでよく使う温清飲や、冷え性や体が弱っている時に使う十全大補湯、腰痛や神経痛などで使う疎経活血湯などなど。
ちなみに四物湯の四は、当帰、地黄、川芎、芍薬の四種類の生薬を表すが、地黄については胃腸の弱い者には留意する。場合によっては食欲が減退したり、胃もたれしたり、下痢になることがある。
他に症状としては、冷え性で手足の冷え、逆にのぼせたりしやすい。あるいは血(けつ)の不足のために動悸、めまい、肌荒れ、倦怠感などもある。
<病理> 五臓六腑の中の「肝」は血を蔵し、「腎」は津液(しんえき)を蔵している。もし、腎の津液が不足すれば、肝血の中の水分も不足して熱の証を現す。このようなときに地黄で津液を多くし、当帰で肝血を補い、川芎(せんきゅう)で血を巡らすための気を補い、芍薬で血の循環を盛んにする道筋を整備するのである。
<四診>
・望診 ーー 痩せている人が多い。血色が悪い。あるいは顔面が赤くなっていることがある。
・舌診 ーー 舌質は白いことがある。逆に赤くなっていることがある。
・脈診 ーー 全体に張ったような脈(弦脈)である。血虚が著しくなると、弱く柔らかい、もしくは細いかすかな脈になっている。
・腹診 ーー 全体に軟弱だが、左のヘソの横からヘソ下にかけて動悸がある。また、鼠径部に圧痛がある。
<鍼灸証> 「肝虚陰虚熱証」とする。足の厥陰肝経の「曲泉」(きょくせん。膝の内側、曲げてできる裏側のスジの、少し上のくぼみにあるツボ)と、足の少陰腎経の「陰谷」(いんこく。膝裏の内端、スジとスジの間にあるツボ)を補う。
<最後に> 四物湯は重要な処方です。<病症>のところでも書きましたが、これを基本として加減した漢方薬は山ほどあります。
逆に「血虚」が確認できれば足してよい処方でもあるので、もともとある漢方薬にも足して使える重宝する処方です。
特に、女性は生理の関係もあって血虚になりやすいので、四物湯は欠かせないものです。具体的には生理不順や生理痛、産前産後の不調、更年期障害など。もちろん、生理がらみだけでなく、頭痛や肩こり、肌荒れ、冷え性なども血虚が元にある場合も多いので、その際は加減して使います(^_-)-☆
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