そんな急な暑さや、朝晩との温度差のせいか「身体がだるい」と訴える方が多いように思います。加えて、いわゆる五月病の時期でもあり、体調不良になりやすい季節です(-_-;)
そんな今日は、江戸時代に売れたという、漢方処方について書いてみましょう。
それはタイトルにもあります「読書丸」というもの。知る人ぞ知る処方ですが、ネーミングが非常に興味をそそられますね~。名前から考えれば、「読書するときに良い薬では?」という気がしますね。まあ半分は当たっているでしょうか(^^;)
読書丸は、江戸時代の戯作者である山東京伝(さんとうきょうでん)がつくった処方です。その効能書には「気根を強くし、物覚えを良くす。すべてのきよせんきのかた、ぶらぶらわずらいによし。常に心労多き人、見におぼえてしるしあり。~延年長寿の薬也。」と書かれていました。
組成は「朱子読書丸」をはじめ、「天王補仁丹」などの七処方を基にしています。具体的な生薬としては、茯神、遠志、人参、陳皮、菖蒲、甘草などで、エネルギー補充や気の巡りを良くするような組み合わせになっています。
山東京伝は、自署の黄表紙(きびょうし。江戸時代に大衆向けにひらがなで書かれた絵入りの小説)の余白に、「読書丸」をはじめ自身の店の商品の広告を巧みに入れて、商いは大いに繁盛したようです。ちなみに、お店とは煙管(きせる)と紙タバコ入れの店で、薬や雑貨も売っていました。
江戸時代も中期になると、世情も安定してきます。しかし、一方では人間関係での格式やしきたりがうるさくなり、今の世の中と同じようにストレス社会になっていたと思われます。
「読書丸」の効能では頭が良くなる薬、とも書いていますが、処方から考えると、体力が弱り気味で心労(ストレス)があり、頭が疲れている、不眠、うつ気味の症状などがある人にまあまあ効いたのではないか、と推測されます。
気になるのはその値段ですが(笑)、当時の単位で一包15粒入りが一匁(もんめ)五分、現在の金額でだいたい3300円ぐらい。つまり1粒220円ぐらいです。いい値段ですね~! 当院が粉薬1包125円ですから、劇高とも言えないのですが1粒はそんなに大きくないはずなので、けっこう儲かったのではないでしょうか。じっさい当時の話によれば、よく売れてお店も繁盛し、新たに家を建てるほどになったとか😲 ウチも売り出そうかな(^_-)-☆
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