<主治症> ①過労、疲労 ②性的神経衰弱、夢精など ③不眠、動悸 ④脱毛症、のぼせ ⑤ノイローゼ、統合失調症など ⑥夜泣き、夜尿症
 
<病症> 身体が疲れやすく、動悸、めまい、不眠、足の冷え、のぼせ、神経症などがあり、驚きやすい。食欲はあるが下痢しやすい。もちろんこれらの病症が全てそろっている訳ではない。ただし動悸は必ずある。動悸がして疲れやすい、というだけでも良い。動悸は胸で感じるだけのこともあるが、下腹から胸に突きあがってくる場合(「奔豚気(ほんとんき)」)がある。
 あるいは食後に動悸が起こることがある。
 性的な欲求がかなえられずに遺精するものに用いる。
 子供の夜尿症にも用いられる。
<病理> 本方は虚労病、つまり過労になった時に用いる処方である。過労になる原因は房事(性交渉)過度だけでなく、肉体労働も含まれる。
 基本的に「腎虚証」だが、腎の津液不足よりも、少陰腎経の「陰気」が虚して引き締める力が弱っている状態である。そのため「陽気」が独走して上に突きあがって来る。それにより動悸やめまいが起こるのである。
 この処方は「室女病(しつじょびょう)」の薬としても有名である。室女病とは、尼僧や独り身の女性に多いことから名づけられたもので、性的欲求があるのに思いがかなわないと起こりやすい。もちろん欲求を意識していなくても起こりうる。これは、性的欲求により陽気が旺盛になり、そのために腎の津液不足や陰気の虚が発生し、あたかも房事過度で腎虚になったのと同じ状態になるためである。ちなみに女性だけでなく男性も発症する。
 
<鍼灸証> 「腎虚陰虚熱証」とする。足の少陰腎経の「復溜(ふくりゅう)」(足首の内くるぶしとアキレス腱の間の少し上にあるツボ)、手の太陰肺経の「尺沢(しゃくたく)」(肘の内側、真ん中辺りのくぼみにあるツボ)を補う。
 腹部は下腹部のツボである「関元(かんげん)」を補うと良い。
 注意点としては、深い鍼をすると陽気が虚してよけいに動悸がひどくなることがあるので、全体に浅い鍼もしくは接触鍼で治療する。
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