<主治症> ①インフルエンザなどの熱病、②妊娠中に悪寒、発熱する
 
<病症> 発熱、悪寒があって、じんわりと汗をかくような状態で、頭痛やのぼせもある。後頭部から肩・背中にかけてコリや痛みがある。大小便は正常で食欲も普通。体力がない人が風邪にかかるとこの証になりやすい。
 注意点としては、一見このような症状でも、食欲が無くなってきたとか下痢をするなどの、体の内側の症状(=裏証)がある時は、本方証ではない。
 
<病理> 人の体は常に「陽気」(ようき。体を巡るエネルギー)を発散している。ただし、発散する量は春夏が多く、秋冬は少ない。また昼間が多くて夜間は少ない。この陽気の発散は「太陰肺経」(陽気が巡る体の経絡(けいらく)の1つ)が主となる。
 何かの原因で肺経の発散が弱くなると、体表において陽気が発散、循環しなくなる。陽気が発散、循環しないと体表の汗や陽気の出し入れができなくなり、悪寒や悪風(おふう。風が体にあたるのを嫌がる状態)が発生する。同時に発散できない陽気が、太陽経や陽明経に停滞して発熱する。
 このような状態の時、桂枝湯を服用すると、一度汗が出てからじわじわ出ていた汗が止まり、悪風などが取れ熱が下がって治る。
 
 ちなみにこの桂枝湯は「傷寒論」(しょうかんろん。漢方の聖典)で最初に出てくる処方で、漢方の基本となる処方(生薬の組み合わせ)と言えます。その傷寒論にはこの桂枝湯を服用する際、「服用後は温かいお粥を食べ、身体を温かくして少し汗を出すようにすることが薬力を助ける」と書かれています。加えて、先に述べたような体調(いわゆる風邪のような体調)の時は、「生冷粘滑肉麺五辛酒酪臭悪等のものを禁ず」とも書かれています。つまり、「生もの、冷たい物、ネバネバした物、ヌルヌルした物、肉、麺類、辛い物、酒、乳製品、ニオイのきつい物は食べてはいけない!
 要は、消化の悪いもの、刺激物は避ける、ということになります。うどんは風邪や食欲がない時によく食べますが、本当はあまり良くないわけです。
 
<鍼灸証> 「肺虚太陽経虚熱証」とする。手の太陰肺経の「太淵(たいえん)」または「経虚(けいきょ)」。両方手首の脈を診る辺りにあるツボ。太陰経の巡りを良くするという意味で、足の太陰脾経の「商丘(しょうきゅう)」もよい。同時に足の太陽膀胱経の「京骨(けいこつ)」も使って、陽気を補い、汗を出して解熱させる。
 お腹や背部は基本的に「接触鍼(せっしょくしん)」(刺さずに触れる、なでる鍼)で自汗(じかん。自然と出てくる、じんわりとかく汗)を止めるようにする。
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